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2006年8月 3日 (木)

ウルトラセブンとアメリカ

子ども時代に夢中になった円谷プロダクション制作の特撮の1つに「ウルトラセブン」がある。その42話に「ノンマルトの使者」というものがあった。

海底開発のための基地が爆発する。その原因はノンマルトという海底にすむ人々が自らの生存権を確保しようとして基地を破壊したためであった。ところが、そのノンマルトは人類が地球に来る以前から住んでいた先住民で、人類が地球を侵略して定着し、侵略の記憶をなくした…という可能性が高まり、ウルトラセブンが怪獣を倒し、ウルトラ警備隊がノンマルトの海底都市を破壊して事件は終結する。

この話のシナリオを書いたのは沖縄出身のライター金城哲夫である。そして、沖縄の視点でこの物語を見ていくと、ノンマルトが沖縄人、人類が日本人、ウルトラ警備隊が自衛隊、そしてウルトラセブンがアメリカ軍の存在と重なってくるということを切通理作が『怪獣使いと少年』という本で指摘している。

その後「ウルトラセブン」はいくつかの新しいシリーズが作られたが、その中でセブンは人類を愛し、人類のために戦い続けた。けれども、「ノンマルトの使者」において怪獣と戦って人類を守ったウルトラセブンに重ねられたアメリカ軍はどうか。特に最近の動きは、自国の一部の人々や企業の利益のためにあちこちを脅し、武力を行使する侵略者の様相を強めているように見える。アメリカ軍ばかりではない。アメリカの押し付ける経済政策は他国の人々の安全や暮らしを脅かし、環境破壊に対する配慮もほとんどしないでいる。

その中で、実はアメリカの国民も様々な不利益を被っている事実は、マイケル・ムーアやチョムスキーなども指摘している。そうした行動が世界に不幸を撒き散らすばかりでなく、それほど遠くない将来において自らの首も絞めかねないことにアメリカの権力者は気付いているのだろうか。

そして一部の人々はアメリカがウルトラセブンのように無条件に日本を愛し、日本のために動いていないことに気付いている。けれども、政府・与党や官僚はどうか。それを知っていながら国民の財産や幸福をアメリカの一部の利益のために売り渡そうとしている【売国奴】なのだろうか。それとも、そんな事にすら気付かない無能な人間の集まりなのだろうか。

少なくとも私たちには「ウルトラセブン」はいない。とすれば、自らの手でしなければならないことがある。意見を発信していくこと、そして次の選挙での賢明な選択である。

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コメント

ウルトラセブンはウルトラシリーズの中で最も哲学的・思想的・社会批判的な内容ですよね。子供の頃何気なく見ていたものを大人になって見直した時、物語に深い意味が潜んだことに気付いてビックリしました。

アメリカは強い国。横暴な政策も目に余るものがありますが、あのような強国を相手に我が国がどのように接するべきなのか?
僕には良く分かりませんが、今の弱体の日本としては多少の犠牲を払っても大局で日本が有利になる政策というのもあって良いのではないかと思います。
課題は日本国を政治的・経済的に強くすることでしょう。強い者こそがWinWinを実現できるものだと思います。

投稿: うるとらの音 | 2006年8月 4日 (金) 09時12分

アメリカが弱くなり、余裕がなくなっているからこそ、勝手気ままに振舞うのではないかという気がしないでもありません。

ただ、日本の指導層も、それ以上に弱い。以前ほどのしたたかさは感じられず、アメリカに尻尾を振り、アジアには虚勢を張って、結果として日本そのものの地位をどんどん低下させているのではないか、と思わざるを得ません。

もっと別の道を、みんなで模索していかなければならないと思います。

投稿: TAC | 2006年8月 5日 (土) 00時22分

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