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2006年8月10日 (木)

異界との交流

座敷童子の物語を読んだ夜、何の脈絡も無く、座敷童子と遊びたいと思った。

 

その日に限って俯せになって布団に入っていたが、うとうととまどろみの時間を過ごすうちに、どこからともなく、板間の上で乾電池を転がして遊ぶようなゴロゴロという音が聞こえて来た。

 

ぼんやりとした頭で、「うるさいなあ…」と思った瞬間、身体がピクリとも動かない事に気が付いた。久し振りの金縛り体験。けれども不思議な事に心は晴れた冬の夜の湖の水面のように落ち着いていた。

 

動かす事の出来ない背に、重いものがのしかかってくる。座敷童子って小泣きじじいだったっけ? 訳の分からない連想が夢うつつの頭の中を駆け巡る。そして、子どもの笑い声。あっ! やっぱりこいつは座敷童子に違いない。

 

そう思った途端、心が行動を起こしていた。

「おい、手を延ばしてくれよ、なあ、何もしないからさぁ…」

 

目も開かないし、口も動かない金縛りの中、背中にのしかかっている不思議な存在に、心で呼び掛ける。すると、布団から出ている右手の方に小さな手が伸びて来るような気配。その手が、親指の上の辺りまできた瞬間、すべての意志を右手に集中して、伸びてきた掌を握ろうとした。

 

成功! …当然の事ながらと言うべきか、不思議な事にと言うべきか、その掌は確かに、小さな幼児のものだった。

 

けれども、その手を握ったと同時に背中が軽くなり、金縛りは解けてしまった。ようやく自由になった瞼を開け、周囲を見回したが、そこにはいつもと同じ夜の寝室の空間が広がっているだけだった。

 

それから半年ほど経った後の金縛り体験で、ゴロゴロという乾電池を転がすような音は、耳に聞こえているものではなく、心に直接響いているのだということを発見した。

 

…コノ物語ハのん・ふぃくしょんデアリ、登場スル場所・時間ナド、スベテハ現実ニアッタ体験デス。

 

                                    〔完〕

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