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2006年9月 3日 (日)

アジア人差別の構造

トヨタの下請け工場で、ベトナム人に対して最低賃金すらも支払っていなかったために労働基準監督署の指導を受けたというニュースが報道された。構造としては大企業が相手を無視した一方的なコストダウンを下請け・孫受け企業に押し付ける現実にあるようだが、もう1つの背景として労働鎖国政策も背後にチラついている。

他のアジアの国々から見た場合、日本は異常なまでにビザの取りにくい国のようだが、背後には政府がアメリカに卑屈なまでに盲従するストレスを経済的に優位にある他のアジア諸国に対して威圧的にふるまうことで解消しているように分析できそうである。だがこれは、二重・三重の意味で日本の国益を損なうことにつながる。

労働鎖国政策の闇の部分の1つに「研修」名目で外国人労働者を受け入れる形にすることで安価な「労働力」を確保する、という現実が時々見受けられる。が、そもそも、単純労働者をきちんと受け入れる道を開けば、下請け現場での労働力不足の解消や彼らにも社会保障の負担をある程度課すことで保険や年金の部分の制度の見直しが別の文脈から可能になる。また、「研修」制度をより厳密に適用することで相手国の技術の向上に道を開き、日本と言う国そのものの評価の向上にもつなげることが可能となり、「札束外交」よりもより効果的に日本の評判を高めることになる。そして何よりも「研修」制度を悪用した背信行為・人権侵害行為を減らすことに直接つながっていく。

ある意味では、これは日本の外交姿勢の問題である。国際交流ボランティアの活動で接している外国人に話を聞いたり、実際に大使館や入国管理局で担当者として接した経験からすれば、日本の役人は間違ったプライドとアジア人に対する差別意識で凝り固まっており、それによって日本の評判を下げ、外交上必要な様々な情報の取得を自らの手で困難にしているように感じられる。

これがアメリカに対して必要以上に卑屈になっていることの補償作用としての無意識の態度だとすれば、アメリカに対しては国民の利益を無視してその要求を無制限に受け入れ、結果として国の自立と信用を損なう形の売国行為になってしまうし、アジア諸国に対しては日本への反発を強め反日感情などを政治的に利用されるような形で国益を損なってしまうことにもなりかねない。いずれにしても、日本国民にとつて何の利益ももたらさないのである。

けれども、2000年前後から、この憂うべき状況がより強化されつつあるように感じられる。小泉政権の対アメリカ・ポチ外交とアジアに対する無思慮外交は特に目を覆うほどのものであったが、自民党の総裁選挙で優位に立っていると報道される安部氏の言動からは、小泉政権の外交失策を具体的に修正するステップがまったく見えてこない。美辞麗句を並べても、具体策が見えなければ修正の意思は伝わらず、返って状況を悪化させかねない危険をはらんでいるのである。

アメリカもアジアの国々も、住んでいるのは同じ人類である。アメリカに対してこれほどまでに卑屈になる必要はないし、ましてアジアに対して居丈高に接することはその場ではともかく長期的には百害あって一利なしである。政治家も高級官僚も、そんな普通の意識が持てない程までに能力は低下しているのだろうか。

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突然のTB申し訳ありません。 労働基準監督署に行く前に!というブログを書いている、HN まこ と申します。 ご迷惑ではないかと思いますが、一労働者として ブログを書き始めてもうすぐ2ヶ月たち、わからない事を 勉強しながら、書かせていただいております。 どうぞよろしくお願い致します。 ... [続きを読む]

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