« わからないことのおもしろさ | トップページ | こんな一日も… »

2006年9月27日 (水)

間違いを認めない非効率

明らかなミスや間違いを認めない人間を、最近よく見かける。それが、特に力を持たない一般の人であれば「大人気ないな」と感じ、よほど特別な事情がない限り、その人と付き合う機会を極力少なくしていけば、日常生活での悪影響は最小限に抑えることができる。

けれども、それなりに権力や影響力を持つ人が間違いを認めずミスを隠して居直ろうとすると、様々な面で周囲に悪影響を及ぼすことになる。彼らが、組織のトップやトップに近いところにいる場合は、その組織の存続にも関わりかねない。なぜなら、間違いやミスを認めれば、そこから軌道修正が可能となるが、認めないまま居直ると、軌道修正が難しいために事態が悪化の一途をたどりかねないからである。そして、当人が困るのはある程度自業自得だが、結果として組織の末端に位置する人が困るのは本当に悲惨である。

しかし、そのような心の病が日本の社会を覆いつくしつつあるように感じられる。雪印の事件や三菱自動車の事件、そしてパロマの事件…いずれにしろ末端の従業員やパート・アルバイトの人たちの責任はそれほど大きくなく、組織の上層部が間違いを認めて素早く方向転換をすれば、買い手の側の被害はもちろん、組織の傷ももっと小さくて済んだ筈である。が、結果として間違いやミスをごまかし続けたことで多くの被害が出て、組織自体も大きく傷つく事になった。

日本そのものはどうだろう。景気は持ち直しているという話だが、一般の人々にその実感は薄い。が、大企業には減税を、そして一般の人々には増税の道が画策されているようである。「国際競争力」の維持とやらがその理由だが、誰が商品や製品・サービスを買うのだろうか。賃金が伸び悩み、税や社会保障の負担が増える一般の人々にその余力があるとは思えない。外需に頼るには、アメリカ経済の動向には不安の影があるし、他の貧富の差が激しい国々に安定した購買力を期待するのも本末転倒のような気がする。とすれば、それなりに儲かっている大企業には増税しつつ賃金の上昇を図るなどの内需を拡大する条件を整えた方が良いのではないだろうか。

国会で法案を審議しているうちに矛盾や問題点が明らかになっても原案を押し通そうとする与党の姿は、間違いを認めないことによる非効率の例そのものである。結局、社会保障制度など、毎年議論され手直しされ続けているではないか。これを非効率と言わずにいられる人々は、自らが「効率」という言葉の意味を理解していないのだろう。

間違いを認めることは、決して悪いことではない。いつの間にかそれを忘れてしまった日本社会の行く末が心配である。

|

« わからないことのおもしろさ | トップページ | こんな一日も… »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/120394/3606709

この記事へのトラックバック一覧です: 間違いを認めない非効率:

» 消費増税で社会保障費の財源に [社労士受験生のための日経新聞]
柳沢厚労相は旧大蔵省出身の財政再建論者。 記者会見でも「(財政の)先行きを見た場合、増える経費として社会保障費があるのは明白」と述べた。 [続きを読む]

受信: 2006年9月28日 (木) 02時15分

« わからないことのおもしろさ | トップページ | こんな一日も… »