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2006年9月10日 (日)

裏金の責任

岐阜県の裏金問題が大きな問題になっている。確かに、国民の税金を不正に流用する裏金をここまで先送り・放置して、燃やしたり、私的な支出に使ったりしたのは言語道断だが、こうした構造の元凶となった官官接待、特に国の高級官僚の責任に対する議論がまったく上がっていないことがおかしいように思われる。

元地方公務員の人に聞いた話だが、年度末に国の公務員が突然出張でやってくる連絡を受けることが時々あり、地方としては財政処理が出来なくなるので裏金を必要とした、というような状況もあったらしい。年度末の突然の出張は、当然、国の側の予算を使い切るためのものだが、その後の関係や陳情・予算配分等の必要から、地方の側では官官接待をせざるを得なかった、という部分もあったらしい。つまり、接待される側の官(国の上級公務員)は、不要な出張で予算を無駄遣いし、さらに裏金によって接待されるという税金の不適切な二重使用の元凶であったということになる。

そうした意味では、確かに岐阜県の裏金作りは問題だし、それを「返還させろ」という主張もわかるが、それと同時に、裏金によって接待された国の上級官僚も、当然、その分は返還するべきではないだろうか。ところが、連日の新聞やテレビ等での報道において、そうした議論はほとんど見聞きしない。これはどうしたことだろうか。

裏金問題の構造は、官官接待の接待される官、つまり国の上級官僚の側に重い責任がある。上級官僚が接待をエリートの誇りを持って拒否し、接待された場合は、決してその便宜を図らない、という姿勢を貫いていれば、そもそも官官接待は成立しえず、巨額の裏金を作る必要はなかったことになる。だから、裏金問題において、接待された官の側の責任は非常に大きく重い。当然、追求するならば、そこまで深く掘り下げ、接待を受けた側の国家公務員にも、返還を要求し、例え今は職を辞していても責任追及の圧力をかけるべきだろう。

批判されたから今はしていない、ではなく悪い事をしていたのなら、きちんとその責任を取る。これが、大人としてエリートとして必要な態度であるし、マスコミの側も、問題を岐阜県のみに矮小化せずに、きちんと国家公務員の責任についても追求していくことがその責務である。我々は、民主国家の国民として、資質の欠けた権力者の不正やごまかしを決して許してはいけない。私は、そう思うのだが……。

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» つぼ破損事件:口論3 [不動産鑑定士半兵衛の権力との闘い]
「今日はしっかり説明していただけるという話でしたが、こんなことでは、またいいか [続きを読む]

受信: 2006年9月10日 (日) 20時38分

» ◆あなたもどうぞ。岐阜県裏金・過去20年分返還、退職金返還などの住民監査請求運動 [てらまち・ねっと]
 (転送、転載大歓迎)  岐阜県の裏金事件、「市民オンブズマン・ぎふ」(代表/弁護士・安藤友人。事務局/弁護士・山田秀樹)と「くらし・しぜん・いのち 岐阜県民ネットワーク」(事務局/寺町知正) は、共同して住民監査請求をすることになりました。  古田知事は14年分19億円(含利息)を返させる方針ですが、私たちは20年分約50億円超(14年分17億円+8年分32億円)を返還させたい。  梶原前知事の�... [続きを読む]

受信: 2006年9月18日 (月) 14時51分

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