« 少しばかり病的? | トップページ | 壁から逃げないで… »

2006年10月 2日 (月)

なぜ外需に頼るのか?

ここしばらく、景気は上向きとの報道が繰り返されているが、地方の一般の人々の間にはそれほどの実感はない。パートやアルバイトなどの非正規労働者の割合が増え続けており、一部の人々を除けば、一般の家庭の収入はそれ程増加していない。逆に、収入が減少したり、貯蓄がなくなったりしている家庭が増加しているからである。

このような状況では、内需の拡大は見込めない。賃金の上昇を抑制し、低所得の人々からの税金を上げるような政策が続けば、内需は相変わらず冷え込んだままとなり、それに関連する中小の企業の経営は苦しいままであろう。

内需が見込めないとなると、企業活動としてはそれでも儲けを出さなければいけないので、外需に頼ることになる。そこで「国際競争」を名目に賃金を抑制することになるのだが、外需を求めて輸出を拡大し続ければ、相手国の産業構造の発展に歪みを生じさせ、大量の失業者・移住労働者を生み出すことになる。

こうした状況の中で「勝ち組」は全世界レベルで富を集中させていくことになるが、それは結果として貧困を増大させて不満や怨念を蓄積し、共感や対話に絶望した人々を暴力的行為や自暴自棄的な行動に走らせる。それによる世界や国内の不安定化に対処するためのコストを考えると、この一連の流れは経済的に非効率になる。またその際の環境破壊に対するコストも考えれば、その非効率と高負担はいっそう著しい。以上のことから、外需への依存のマイナス面はけっこう大きいと考えられる。

とすれば、内需拡大をもっともっと真剣に取り組む必要が出てくる。「地産地消」という運動は、まさしくこの内需拡大の流れにそったものである。地域の産業活動によって生まれたものを地域で消費することで地域の企業に資金が還流する。それは、地域の労働者の生活の安定と購買力の安定につながっていく。地域で生活ができるようになれば、一極集中や過疎の弊害は軽減され、環境の保護にもプラスになる。

少し考えれば、この程度のことは容易に分かると思うのだが「国際競争力の維持」という煽り文句によって「外需依存」「内需軽視」の構造が隠蔽されて久しい。地域のレベルでも国のレベルでも、そしてグローバルなレベルでも「地産地消」すなわち「内需」の意味をもっと丁寧に再検討する必要があるのではないだろうか。

|

« 少しばかり病的? | トップページ | 壁から逃げないで… »

コメント

米国は1910年代後半から最高税率50―>75%の所得再配分応能負担強化で空前の好景気に沸いたが
1925年に最低の25%へ応能負担弱体減税の結果、承継したフーバー大統領誕生の1929年アメリカで株価大暴落が発生し世界大恐慌へ突入した。
その後、ルーズベルトは最高税率63-92%へ所得再配分し超大国となり株価も大幅上昇し財政再建も成功した。
クリントン米大統領はルーズベルト税制を参考に「富裕層所得税累進増税の応能負担強化の税制改革」を断行し
国際競争力を再強化し株高と経済成長と財政再建の構造改革に大成功を納めた。
逆に累進緩和したレーガン税制やブッシュ税制では所得再配分機能の低下を招き、中低所得者層の高消費性向の増殖性を活用できず国際競争力は停滞弱体化した。

日本では、敗戦後、吉田首相は敵将ルーズベルト税制の効果を良く知る戦中戦後大蔵省主税局長だつた池田勇人を重用し、
その意見を取り入れ高累進所得税制を採用し付加価値消費税廃止を昭29年断行した。

池田勇人は総理大臣となり更に高度経済成長と財政再建のために最高税率75%の応能負担強化の高累進所得税制を導入し大成功した。
ところが、バブル崩壊後に馬鹿な日本政府は消費税を導入して所得税の最高税率を37%まで引き下げ、経済的大停滞を招いた。

結論 消費税を上げて所得税の累進性を緩和すると経済は衰退し財政は悪化する、
消費税を廃止して所得税の累進性を強化すると経済は発展し財政は健全化する

投稿: uu | 2006年10月 8日 (日) 03時17分

所得の再分配は内需を喚起することで経済の安定ばかりでなく労働者・生活者の精神のゆとりをも生み出し、それが治安の安定などにもつながっていくのではないかと考えています。

従って、小泉・竹中経済・財政は失政であったと判断しています。長期の経済の低迷と治安の悪化、自殺の増加がその証拠として充分であろうと思います。

投稿: TAC | 2006年10月 8日 (日) 03時29分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/120394/3668634

この記事へのトラックバック一覧です: なぜ外需に頼るのか?:

» 見て面白い! 国際競争力ランキング [為替王]
******************** こんにちはしんと申します。 毎日欠かさずブログを拝見させていただいています。大変勉強になっており、感謝しています。 最近、IMDによる日本の国際競争力ランキングの推移を紹介しているサイトを見ました。... [続きを読む]

受信: 2006年10月 7日 (土) 18時23分

» 環境破壊への取り組み [日本環境問題]
環境破壊への取り組みについて考える。環境問題や汚染にたいしての対策を検討するサイト。 [続きを読む]

受信: 2006年10月14日 (土) 07時30分

« 少しばかり病的? | トップページ | 壁から逃げないで… »