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2006年11月28日 (火)

いじめ…どうケアをするのか

いじめに関わる事件が連日報道されている。それぞれが、胸の痛む話ではあるが、こと子どもの問題については、大人の責任としてきちんとケアをする必要がある。そのことを少し考えてみよう。

まず、いじめられている側の子どもについてだが、まず何よりも早急に、その「いじめ」の現場から保護する必要がある。学校でいじめがあるなら、学校を休ませる…というのも1つの選択肢である。「現場」から引き離して保護し、落ち着かせるのである。

次に、いじめられ続けていると、自分の存在に対して自信を失い、「いても仕方がない」「生きていても仕方がない」などという自己否定感につながる思いに取り付かれてしまっている場合が少なくない。だから、周囲が、「あなたはかけがえのない存在なのだ」ということをきちんと伝え、自信を回復させていく手立てを取る必要がある。それも、早急に取り掛かることが要求される。けれども、いじめられている期間が長いほど、自信や自己肯定感を回復させるのは大変で、時間もかかる。けれども、愛情を持って辛抱強く接していくことが大切であろう。

それから、加害者のケアも大切である。1つは、いじめだと気づいていないケース……。遊びのつもりでからかい続けていることが「いじめ」になってしまっていると本人たちが気づいていない場合は、それを教える必要がある。友達関係の中でお互いにからかい合うのは時々見かけられることだが、それが一方向で続いてしまっている場合は「いじめ」になるのだと認識させなければならない。自分がからかい続けられる立場だったらどんな気持ちになるかをきちんと考えさせ、相手への共感を育てていく。同時に、からかい続けている背景には、何らかのストレスの発散である場合も少なくないので、その原因を見つめ直し、改善できることは改善していけるようにサポートしてあげることも必要であろう。

が、「いじめ」だと知っていながらやっている場合は、それでは済まない。場合によっては法的な介入も含めて、まず強制的に停止させる手立てが必要になる。ただ、子どもである以上そこまで精神的に荒廃してしまっている背景に目を向け、立ち直っていけるようなサポートも必要だろう。時には、心から信頼している人間が周囲にいないこともあるので、他者との関係作りや、その子の居場所作りから始めていかなければならないだろう。

もう1つ、周囲の子どもたちに対するケアも大事である。「いじめ」そのものを許さない雰囲気を作ることによって、関係は豊かになっていく。確かに、1人で行動を起こすのは大変かも知れない…ということは共感しつつ、それならば他の子どもたちと一緒になって「いじめ」を止めるアクションを起こせるようにする、という方向に導いていくことが大切だろう。具体的には、他者、特に止めてもらえそうな相手に事実を伝えることから始め、やがては、その「場」でも、「いじめ」を制止できる仲間や関係を育てていく……ということになろう。もちろん、時間をかけて丁寧にやっていかなければならない事だが、そのように努力することが大人としての責任だろう。

だが、こうした「いじめ」の背景には、大人の心の荒廃やゆとりの喪失、「いじめ」の蔓延が考えられる。実際に、そういう相談も受けた事があるし、ニュースなどでも職場での悪質な事例が報道されたりもしている。

自分自身が「いじめ」に関わっていないか、「いじめ」を許していないか……ということも大人自身がきちんと見つめ直し、自らの行動を修正し、社会を変えていく努力を続ける必要があるだろう。

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