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2007年1月14日 (日)

「いじめ」の講演会を終えて

12月に依頼された「いじめ」についての講演が昨日無事に終わった。被害者・加害者・周囲の子どもたちについての詳しい分析からはじめ、次に、どのようにそれぞれに関わっていくのかという方向性を話したが、分かりやすかったかどうかは定かではない。役員さんたちは「よく分かった」と言ってくれてはいたが……。

ところで、政治家のコメントなどで「サインに気をつける」という話が良く出るが、様々な教育現場に関わっている立場からすれば、非常にいい加減なコメントだと思う。問題は、サインに気づくためにどうすればいいのか…ということなのだ。

サインに気づくためには、ある程度しっかりと当事者に関わる必要がある。そのためには、最低限、物理的に一緒にいる時間をきちんと長く取る必要があるのだ。その時間を、実は、日本の政治や社会は十分に保障していない。

非正規雇用の増加による賃金の抑制と家計収入の悪化にともない、父親はもちろん時には母親も、家計収入を支える仕事のために長時間働かなければならない現実がある。特に、パートや派遣労働者は、時給など手取りも低く抑えられているために、【かけもち】でもしなければそれなりの収入にはならない。そんな中では、しっかりと子どもたちに関わる物理的な時間や精神的な余裕が十分には持ち得ない。

だから、サインに気づくには家族の時間を保障する必要があるが、そのためには労働者の権利をきちんと保障せずにいては不可能なのである。子どものいじめ問題をどうにか改善して行こうとするためには、家族の時間を保障しなければならない。そのためには、労働者の時給を上げ、8時間以上働かなくても家庭に帰れるようにしてやることが前提となる。それをしないで、いくら美辞麗句を並べ立てても問題は解決しないのである。

講演会では、「いじめ」は子どもの問題には留まらず、大人の問題でもあることを指摘しておいた。子どもたちをきちんと育てるために、大人も努力する必要がある。特に、政治に関わる政治家や官僚、企業のトップの責任は重い。目先の利害だけにとらわれるのではなく、広い視野で賃金の問題なども考えていく必要があるだろう。

 

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コメント

いつも思うのですけど、どうして子どもをめぐる問題って常に「教育問題」で片付けられる傾向があるのでしょうか。
 このところようやく、よくいわれるようになりましたけど、子どもは、特に子どもの社会は、大人の社会の影響が強いです。大人が「自分たちさえよければいい」と思ってたら子どもだってそう思うじゃないか、と私は子ども時代、特に高校時代に強く思っていました。これが私を社会学へ向かわせたわけですね。皮肉なことに、社会学を追ってたら結果的に教育学部へ入学することになってしまい、ゼロ免だというのに教育学部卒のイメージを払拭するのに今でも苦労しているのですが・・・。(物事を表面的に決め付ける人が嫌いなのは、このこともあるんです。)
 ただ教育学部は小さな人間科学の府という、私が行ってた先の当時の宣伝文句は、私の想像以上に、意外に当たっていたように思います。若狭先生とも出会えたわけですし。

投稿: かじか | 2007年1月16日 (火) 00時24分

《いじめ》は大人の問題ですよね。大人社会の陰湿ないじめの実態と自殺者や鬱の増加は、まさにそれを表しています。

加えて、子どもの「いじめ」に対するケアを考えるなら、大人の家庭生活の時間を保障する必要があります。それがあってこそ、「サインに気づく」条件が整うわけです。

そうした意味からすれば、政治の貧困・社会政策の貧困が「いじめ」を生み出している…ということになりますから、そこを変えていかなければ根本的な解決にはつながりません。《いじめ》は大人の問題であって、ある意味では子どもたちは被害者なのです。

投稿: TAC | 2007年1月16日 (火) 22時51分

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