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2007年1月19日 (金)

「銀河英雄伝説」から読む民主主義

「銀河英雄伝説」はもともと田中芳樹原作の小説だが、その後オリジナル・アニメ・ビデオのシリーズとして制作され、テレビでも放映された。原作も非常に面白く、10巻をわずか数日で一気に読んでしまったが、その原作に忠実に作られているアニメも、よく出来た作品である。

個人的には、「宇宙戦艦ヤマト」の古代進の声を担当した故・富山敬が自由惑星同盟のヤン・ウェンリー役をしていた事もあり、そちらの興味もあって何度となく楽しんでいる作品の一つである。特に、作品の中でヤン・ウェンリーが亡くなった後、富山敬も後を追うように亡くなっているので、特に印象が強い。

そのヤン・ウェンリーは、よく民主主義や民主政治について自らの考えを周囲の仲間や家族に口にする。それは、歴史的に見ても、法学や政治学の視点から見ても、けっこううなずける内容が多い。政府の上層部にいる人々が「愛国心」を口にして戦争を煽るにも関わらず、自らはもちろん、その家族をも戦場には送っていないことへの批判は特に手厳しい。そして、現在のアメリカの姿を見ていると、それは大いに納得できる。

自由惑星同盟が、民主主義の制度疲労によって衆愚政治に堕し、銀河帝国のローエングラム候による清潔な独裁制によって滅ぼされる辺りは、何とも考えさせられる。民主主義がきちんと機能するためには、自立した個人やマスコミによるきちんとした情報開示や情報公開が必要であり、逆に、公正な税制や国民を大切にする政策があれば、独裁体制でも国民に支持される……などなど。

例えば、ヤン・ウェンリーは考える。国民としては、清潔な独裁政治と極度に腐敗した民主政治とでは、どちらの国民がより幸福なのか……と。そして、改革を進めるには、独裁制の方が効率的であるとも……。それでも、ヤン・ウェンリーは最後まで民主主義を守るために戦い、死んでいった。だが、彼は、自分の作戦によって失われた敵と味方双方の命についても考え、狂信的に「民主主義」のドグマを信じるようなこともなかった。

翻って、現在の日本の姿や世界の姿を見てみよう。「民主主義」の名の下に多くの人々を殺したり苦しめたりしている権力者たちがいる。国民を苦しめる政策を立て続けに実行し続けて恥じない「民主国家」の政治家たちもいる。日本や世界を、自由惑星同盟のようにはしたくはないと思うのだが……。

 

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