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2007年2月18日 (日)

『拳児』…中国拳法の魅力

『拳児』は、1988年から1992年まで週間「少年サンデー」に連載されていたマンガである。戦争の際に負傷して中国人に助けられたことがきっかけで八極拳を修行した祖父に拳法を学んだ少年が、祖父が中国に渡った後も様々な出会いに支えられて拳法の修行を続けながらやがて中国に渡り、拳法の修行によって広がっていった関係に支えられて祖父とめぐり会い、やがては極意を悟るにいたるまでを描いている。

最初は、単に「強くなりたい」という軽い気持ちで始めた拳法が、精神をも成長させ、それが次々と新しい出会いにつながっていく。試合の場面、修行の場面、私闘の場面などもあるが、師父や兄弟弟子たちから様々な技を学ぶ過程でのエピソードには、深い哲学に通じるような言葉もちりばめられている。

例えば、台湾で行動を共にする兄弟子・蘇崑崙は武術を学ぶ理由を「人間性を高めて宇宙と一体になるため」だと言い、「武術を学ぶ者には武徳が必要」で殺人の目的には強力をしないとまで言い切る。この場合は武術の技で得た力だが、これは科学や技術、経済などの力についても同じことが言えるのではないだろうか。拳児は別の場面で「皆と仲良くするため」に武術を学ぶのだとも言っているが、様々な力をどう使うのか…という問題は、私たち1人ひとりにとっても考える必要があることだろう。

そして拳児の「学び」の姿勢…。今まで学んできたことが一度壊れてしまうことをも恐れずに、素直に指導の根本に迫ろうとする。だからこそ、体力もあり様々な技を知っている大人と試合をしても圧倒してしまう。その試合を兄弟子の蘇は「何を学んでも自分の既成概念で使おうとすれば、優れた武術を自分自身でダメにしてしまう」と評する。【武術】を【知識】や【技能】に言い換えても通じる言葉であり、教育方法学や学習心理学の観点から見ても、鋭い指摘である。

「柔道一直線」や「るろうに剣心」などのようにドラマ化やアニメ化された作品ではないし、〔フェニックス〕や〔天翔龍閃〕などのとんでもない《必殺技》が出てくるわけでもないので、それほど知名度の高い作品とは言えない。が、様々な中国拳法の雰囲気が伝わってくるし、少年の成長物語としても奥が深い。いぶし銀とも言えそうななかなかのマンガである。

 

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