« 『怒らないこと』を読む | トップページ | 悪女…哀しいプライド »

2007年5月15日 (火)

効率再考

最近、様々な分野で【効率】を求める圧力が高まっている。けれども、【効率】は万能ではないし、効率を重視しすぎることは多くの弊害をもたらす。特に、教育、家庭生活、創作などの分野では、効率・スピードを求めすぎては豊かな実りを失ってしまう。人が生きていくためには、一見、無駄にさえ見えるゆったりとした時間がとても大切なのである。

それは、民主政治でも同じである。スピードを求めるならファシズムにすれば良い。その結果がどうなるか……歴史的に答えは出ている。民主政治を進めるに当たっては、十分に議論を重ねる必要がある。特に憲法や教育、人々の安全や生存に関わる問題については、しっかりと議論を積み上げ、国民の理解を得ながら進めていかなければならないし、きちんとそういうプロセスを取れば時間が経つにつれて多くの人々の理解と強力が得られるだろう。今の政府・与党のやっていることと正反対だが……。

経済的にも、目先の効率を重視し過ぎると返って社会全体に悪影響を及ぼす。巨大化のメリットと独占や寡占の弊害は、20世紀以前から繰り返し指摘されていることである。例えば、人件費の削減は、国民の購買力の低下をももたらす。それを考えれば、人件費の過度の削減が売り上げの低下を広範囲にもたらすということにもなる。加えて、収入の低下は人々の心を荒ませて治安を悪化させる。そこまで考えれば現在の経済政策は間違っていると言えるだろう。

効率を過度に追求すれば、ゆとりは失われるし、教育のように時間をかければ成長や能力の獲得が可能となるものに【効率】を押し付ければ、開花するはずだった能力も眠ったままになり、返ってマイナスとなる。今の教育行政が行おうとしている「教育改革」の方向である。

いい加減に、短いスパン・狭い視野で【効率】を重視する愚かさから抜け出せないだろうか。長いスパンで見れば、明らかにその方が《効率的》なのだが……。

|

« 『怒らないこと』を読む | トップページ | 悪女…哀しいプライド »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/120394/6431945

この記事へのトラックバック一覧です: 効率再考:

« 『怒らないこと』を読む | トップページ | 悪女…哀しいプライド »