« 効率再考 | トップページ | グランド・ジャット島の日曜日の午後…スーラの緻密さ »

2007年5月16日 (水)

悪女…哀しいプライド

中島みゆきの歌の中で一番多く歌っているのが《悪女》という歌である。情念を生々しく表現する重い歌をけっこう作っている中島みゆきだが、この《悪女》という歌の印象は、それ程重いものではない。曲調も割りと明るく、原曲の高さもカラオケで歌うのにはピッタリなので、ついつい歌ってしまうのである。

だが、歌詞は必ずしも明るいわけではない。好きな男に別の女ができたらしいことを察した女が、悪女を演じて男と別れようとする。仕事もでき、自己主張もする自立した女だからこそプライドもある。そして、自分自身をも見つめられる賢さも併せ持っている。だからこそ自分の嫌な部分、好きになれない部分も自覚していて、愛され続けてはもらえないだろうと悲観している部分がある。それゆえに、愛している…という心からの声に従えないで、嫌われるであろうことばかりを繰り返してしまう。

ある程度人生経験を積んだ男であれば、それらもひっくるめて「可愛さ」を感じ取ることができるだろうが、好きな男は多分そうではない。優しいけれど、女としての存在すべてをひっくるめて愛し、受け入れられる度量の大きさを持ち合わせていないのだろう。ならば、プライドをかけて別れるしかない。そのために悪女を演じる女の姿が哀しい。そんな歌詞である。

10代や20代の頃は、このような女心は理解しきれなかっただろう。しかし、今ならそれにりに分かる。分かれば、可愛いとも健気だとも思えてくる。この歌詞に描かれている女は、その意味では哀しく、かつイイ女なのだ。このような女を包み込める優しさを持った男でありたいと思う。

 

人気ブログランキング … よろしければクリックをお願いします。

コメント・TBの主要言語は日本語…でお願いします。spmではないことを確認の上で24時間以内に公開します。

|

« 効率再考 | トップページ | グランド・ジャット島の日曜日の午後…スーラの緻密さ »

コメント

私はよく昔付き合った男性にこういいました。「もし貴方に好きな人が出来たら、私はなにも言わずに、その次の日姿を消すから。貴方が幸せになってくれることが私には幸せだから。」そういう場面には直面しませんでしたが、実際そんなカッコイイことできるか?と自分に問うと、きっと発狂してめちゃくちゃに大暴れしてしまうと思います。女の立場からしても、そういう悪女を演じて、男に嫌われてみたいと思いますね。

投稿: アサヒ | 2007年5月16日 (水) 15時30分

でも、「身を引く」ってのは、石にかじりついても相手を幸せにする…ということからの《逃げ》であったりもする場合もあります。その辺りのことも考えれば、微妙な問題でもある訳です。

かけひきもあり、いたわりもあり、様々な想いがからまっての人間模様……。恋愛とは、本気になればなるほど語りつくせぬ深さがあります。

投稿: TAC | 2007年5月16日 (水) 17時50分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/120394/6437858

この記事へのトラックバック一覧です: 悪女…哀しいプライド:

« 効率再考 | トップページ | グランド・ジャット島の日曜日の午後…スーラの緻密さ »