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2007年5月11日 (金)

カタツムリを追いかけて…ゆったりとしたリズム

谷山浩子のアルバム【翼】の最後が、《カタツムリを追いかけて》という歌である。小さい頃から「競争」を煽られる現代日本の社会のスピードは、人の心からゆとりを失わせ荒ませつつあるようだが、その人工的なリズムとは全く異なる自然のリズムの1つにカタツムリのリズムがある。この歌は、それを淡々と歌い上げ、聞いているうちに心が安らかになってくる。何か、不思議な歌である。

冒頭のフレーズ、「カタツムリを追いかけるのは難しい」は、聞いていて「あれ? 何で?」と思わせる。カタツムリの動きは本当にゆっくりだから、別に追いかけるのが「難しい」とは思えないという印象があるからだ。けれどもよくよく考えてみると、これはけっこう正しい。なぜなら、「追いかける」なら、必ず後ろにつかなければならないからである。

後ろにつく…ということは追い抜いてはいけない。でも、カタツムリの動きはとてもやっくりであり、ゆったりとしているから、注意しないと知らないうちに簡単に追い抜いてしまう。そうした意味において《おいかける》のはとても難しいのである。けれども、そのゆったりとしたリズムの中に大切なものがたくさん含まれているように思われる。少し目をそらして他の事をやっていたりすると、見えなくなっていることもある。だから、けっこう「追いかけるのは難しい」のだと思う。

それにしても、人々は忙しい毎日をおくっている。通常、大人はもちろん小学生以上の子どもたちも、カタツムリを追いかける《時間》はない。生活時間と心にゆとりがあってこそ、カタツムリを追いかけることが可能となる。逆に言えば、私たちは生活時間と心のゆとりを失っている…のではないだろうか。せめて「カタツムリを追いかけて」でも聞きながら、少しでも心のゆとりを取り戻したいものである。

 

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