« Teacher's…けっこう美味しいブレンデッド | トップページ | 暑い夏、暑い夜 »

2007年6月26日 (火)

まぼろしの旗…絶望を超えて

『まぼろしの旗』は、竹宮惠子が四国・祖谷(いや)地方に伝えられている平家落人伝説をマンガ化した作品である。屋島での敗戦の後、密かに安徳天皇を四国に落ち延びさせることを提案した平教経(のりつね)は、三種の神器の1つである草薙剣を持って安徳天皇とともに四国に落ち延びることになる。

大枝の名主や住民たちの協力を得て、国盛(くにもり)と名を変えた教経は、近隣から攻め寄せてきた源氏を撃退し、平氏の再興を目的に生きようとする。新しい御所をつくり、安徳天皇の元服の日を向かえる。

その国盛に最初は反発しながらも次第に惹かれて行く、大枝名主の娘・穂波。国盛と安徳天皇の交流、住民たちとのふれあい……。だが、安徳天皇は突然の病に倒れて無くなってしまう。安徳天皇を失った国盛は絶望し、酒におぼれる日々を送る。その国盛が、再び生きる希望を見出すのは、生前の安徳天皇の言葉と夢のお告げ、そして国盛を見守り続ける穂波のまなざしによってであった。国盛は、厳島神社に使いを送り、平家の御鉾を御神体として譲り受ける。そして、祖谷の地に根を張って生きて意向と決意するのである。

10巻、20巻と長く続くマンガが多い中、わずか1巻で終わってしまうこのマンガは珍しいかも知れない。けれども、歴史の流れと生きることの難しさと尊さを感じさせてくれる小品である。

 

人気ブログランキング … よろしければクリックをお願いします。

コメント・TBの主要言語は日本語…でお願いします。spmではないことを確認の上で24時間以内に公開します。

|

« Teacher's…けっこう美味しいブレンデッド | トップページ | 暑い夏、暑い夜 »

コメント

歴史を背景にしたマンガっていうと、20年近く前ちょうど日本を去るちょっと前です、『天上の虹』って言うんでしたっけ?持統天皇物語を読みました。きっかけは中学生のお子さんが二人いる先輩が会社に持ち込んだのですが、みんなはまって回し読みしましたね。難しい歴史も、こうしてマンガにしてもらって若い人の興味をそそると勉強できるのですが、なにせ難しすぎて、自分の国の歴史なのだからとは思うのですがなかなか手つかずのままに成りがちなのです。

投稿: アサヒ | 2007年6月27日 (水) 06時51分

里中さんは『長屋王残照記』など古代日本をテーマにしたマンガをいくつか手がけてますね。一方、この竹宮さんは、『ファラオの墓』といった古代エジプトもの、『天馬の血族』といったモンゴル・中国ものも有名ですが、実は日本の古典シリーズで『吾妻鏡』をマンガ化しています。これは、平家物語の辺りを幕府の視点でまとめた史書ですから、時代的には『まぼろしの旗』とかさなっていますね。

投稿: TAC | 2007年6月27日 (水) 12時11分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/120394/6940984

この記事へのトラックバック一覧です: まぼろしの旗…絶望を超えて:

« Teacher's…けっこう美味しいブレンデッド | トップページ | 暑い夏、暑い夜 »