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2007年7月27日 (金)

月光の夏

特攻を前にして鳥栖国民学校のグランドピアノで『月光』を弾いて行った特効隊員がいた。その事実がラジオで紹介され、その反響が1つの映画となって結実した。それが、この『月光の夏』という映画である。その制作費の40%が市民の募金によって集められ、名優、仲代達矢の重厚な演技によってすばらしい作品となった。

事実を元にして作られたこの映画は、特攻を前にわざわざピアノを弾くだけのために小学校を訪れた2人の青年たちの思いを描き出す。もし、戦争がなければ、彼らは特攻することなどなかっただろう。しかし、特攻という運命を受け入れた時、家族よりもピアノを選んだ青年たちの思いが胸を打つ。平和な時代に生まれていたら、彼らは音楽家となる夢を追い続けていたことだろうと。

だが、そのうちの1人が、エンジンの不調のために引き返した時、純粋な青年たちの思いを信じない…というよりも自分たちがそうした純粋な思いを持っていないがゆえに邪推をして不運なパイロットたちの心を傷つけた愚かな上官たちが彼の心に深い傷を与える。

若者たちの純粋な思いを利用して特攻へと追い込みながら、敗戦に際しては自ら責任を取ることがほとんどなかった上層部の軍人たち。その卑劣さをも、この映画は暴き出す。一方で、心に傷を負いながらも敗戦と戦後の混乱を生き続けた残されたパイロット。仲代達矢は、その老人を好演している。

現場で一生懸命働く人々の思いを無視して理解しようとせず、自らが卑怯で恥知らずな言動しか取れない連中が多くの人を苦しめる安倍内閣の姿を見ていると、時代は変わっても、こうした卑怯で恥知らずな輩はのさばっているなぁと感じることが少なくない。「月光の夏」の悲劇をくり返してはならない。

 

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