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2007年7月 4日 (水)

防衛相は辞任したが

原爆に対する「しょうがない」発言が問題になり、防衛相が辞任した。世論の怒りに抗えず…ということだが、当初の本人の居直りと首相の擁護姿勢を考えれば、単なるトカゲの尻尾切りに過ぎないし、国会議員は辞任していないことも合わせて、問題の本質を無視してごまかそうとする姿勢だけが明らかになったに過ぎない。

田中芳樹の書いた小説『銀河英雄伝説』の3巻(徳間書店)において、主要人物のヤン・ウェンリーは、戦争を賛美する御用学者オリベイラ自治大学長やネグロポンティー国防委員長に対して、次のような言葉を投げつける。〔p.153~154〕

 

すばらしいご意見です。戦争で生命を落としたり肉親を失ったりしたことのない人であれば、信じたくなるかもしれませんね。まして、戦争を利用して、他人の犠牲の上に自らの利益をきずこうとする人々にとっては、魅力的な考えでしょう。ありもしない祖国愛をあると見せかけて他人をあざむくような人々にとってもね。…あなたがたか、口で言うほどに祖国の防衛や犠牲心が必要だとお思いなら、他人にどうしろこうしろと命令する前に、自分たちで実行なさったらいかがですか…………人間の行為のなかで、何がもっとも卑劣で恥知らずか。それは、権力を持った人間、権力に媚を売る人間が、安全な場所に隠れて戦争を賛美し、他人には愛国心や犠牲精神を強調して戦場に送り出すことです。

 

この批判は、そのまま安倍総理や小泉前総理、久間前防衛相に対してもあてはまる。今も生きている被爆者の痛みや将来起こり得るかも知れない核戦争の被害者の痛みに鈍感だからこそあのような「失言」が出てくるし、任命権者もそれを安易に擁護してしまう。それは、彼らがヤン・ウェンリーの言う【もっとも卑劣で恥知らずな人間】だからである。

『銀河英雄伝説』は今から20年以上も前に書かれた小説である。だが、ここにおいて展開されている腐敗した民主政治への批判の言葉は、今なお輝きと有効性を失ってはいない。そして、ヤンの言葉によれば、民主政治の腐敗は国民の責任なのである。

月末には、参議院選挙が予定されている。そして、私は日本の国民である。一国民の責任として【もっとも卑劣で恥知らずな人間】たちを喜ばせるような選択は避けたいと考えている。

 

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コメント

有りもしない愛国心を、

批判のみに徹底して政治を考えてない国民にも言えることではないでしょうか?
民主党が権力強めても何も変わりませんよ。

投稿: いるか | 2007年7月 4日 (水) 23時09分

最近睡眠不足で体力勝負というものを感じています^^;
庶民がこんなに頑張っている片方で、参院選を優先考慮したのが見え見えの今回の辞任処置には呆れてしまいます。問題の本質を見極め改善するよりも、権力や体制の維持の方が彼らにとっては大切なようですね。
今度の参院選は荒れそうですね(これでも荒れないと尚更困りものですが,,,^^;)。

投稿: うるとらの音 | 2007年7月 5日 (木) 07時54分

政権交代が無いから腐敗する…という面もありますね。その意味で、うるとらの音さんの言うように、ぜひ荒れて欲しいものです。

いるかさん、私は現時点でどの政党も支持していませんが、自民党の長期政権の弊害が出ていて、派閥機能が消失してチェックすらできなくなっている現政権に危険を感じています。長期展望の無さは自民党も民主党も同様です。だからこそ、政権交代によって揺さぶらないと暴走してしまうのです。失敗したら、選挙ですぐに落とされる…それで良いのですから。少なくとも、現政権は非自由反民主党で、他者の意見を聞かないで暴走するのはテロリストと同じ精神構造です。

投稿: TAC | 2007年7月 5日 (木) 12時36分

参院選の投票に向けて、TACさんの記事や皆さんのコメントを読めば読むほど、混乱してしまうんですよね。一体誰に何を求めて投票したらいいんだろうって。いっそ棄権しようかとも正直なところ思います。無責任と非難されても。

投稿: アサヒ | 2007年7月 5日 (木) 16時01分

棄権は、現政権のやり方を容認するのと同じです。現政権の政策は、弱者にのみ負担を求め、自殺者まで出しています。つまり、いじめっ子ですね。棄権はそれに対する傍観者になってしまいます。現政権の暴走を止めるのに、与党以外の政党に入れる…という批判投票だってあっていいのです。「してもらう」ではなく「させない」選択も大切ですよ。

投稿: TAC | 2007年7月 5日 (木) 18時54分

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根本からいきます。 展望と希望というと、 どの政党に任せるかと 考えると任せられる政党がないというのが現状であります。 どの政党も不人気さがありますね。 ですが、どの政党に政治をやらせるという視点を持っ... [続きを読む]

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