さそりとオリオン
最近は曇った日が続いていることもあり、なかなかぼんやりと星を眺めていた記憶がない。望遠鏡など持っていないので、それ程星座には詳しくないが、それでも、ぼんやりと星を眺めているのは割りと好きだ。中でも、一番好きなのはオリオン座である。
中央に並ぶ三ツ星、赤く輝く赤色巨星ベテルギウス、青白く冬空を照らすリゲル。オリオン座の一番明るい星/α星がベテルギウスで2番目に明るい星/β星がリゲルである。非常に見つけやすく、また美しい星座である。また、オリオン座を見つけると、大犬座と子犬座のα星とで形作る冬の大三角形も簡単に見つけられる。夏の大三角形とは異なり、冬の大三角形はほぼ正三角形に近いので見つけるのはいっそう容易である。
だが、オリオン座と言えば、少しギリシャ神話の知識があれば、すぐさそり座も連想するだろう。強かったオリオンもさそりの毒によって命を落とす。だから、天上に上げられた今でも、オリオン座はさそり座を恐れて逃げ回り、絶対に同時に夜空には存在しない。そう、オリオン座が冬を代表する星座のひとつなら、さそり座は夏を代表する星座のひとつと言えるだろう。
今の時期ならば、さそり座はけっこう見つけ易い。南の空にSの字形にならぶ星たちを探せばいいからである。その中でひときわ鮮やかな赤い光を放つ星がある。さそり座のα星アンタレスである。
だが、8月の下旬ともなれば、実はオリオン座を見ることも可能になる。実は、さそり座の沈んだ明け方、オリオン座は東から昇ってくるのである。
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