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2007年8月26日 (日)

講師を使い捨て?

知人の非常勤講師が、1学期で学校を辞めることになったという話を聞いた。能力のあるベテランの講師であり、私が学校長か市教委の管理主事ならば、現場にとって大いなる損失ではないか…と考えるところである。

その人以外にも、能力のあるベテランの講師に「辞めろということなのか」という思いを抱かせているような扱いをしている例を幾つか聞いている。長い間【期限付き講師】としてがんばってくれた人に対し、年度が変わった途端に掌を返すような形で講師採用の話を切り、学校長の尽力にも関わらず学校現場を去らなければならなかったという高校での事例…その講師は、今はコンビニで働いているという。

派遣やパートなどの非正規雇用について、様々な問題点が指摘されるようになったが、実は、教育現場にも古くから非正規雇用の労働形態がある。一般の教諭とほとんど同じ仕事をしていて厚生年金などの社会保障がある程度はある【期限付き講師】、厚生年金などの社会保障は十分ではないが毎日学校に出勤して担任を持つようなこともある【臨時講師】、社会保障はなく契約している時間で授業を担当したりする【非常勤講師】……。最長でも1年契約…ということだが、それを続けて何年もくり返す人も少なくない。ある意味では、現場での指導に熱心なあまり十分な勉強時間が確保できず、何度も教員採用試験を受験しながらも合格できないような、能力のある講師も多数いる。

だが、社会保障や収入の面から考えると基本的には、いつ切られてもおかしくないような雇用形態であり、東京の【非常勤講師】の中には生活保護の対象になるような収入しか得られないような例もニュースで取り上げられたりしている。同じ仕事には、同じ賃金を、そして連続している非正規雇用については本人が望むならば正規雇用への道を開く、というのが格差が社会問題化した中で進められている労働環境改善の方向である。にも関わらず、まったく同質の問題を抱えている教育現場での非正規雇用問題がなかなか表に出てこないのはなぜだろう。公的機関こそが、率先して労働環境改善の実例を示すべきだと思うのだが……。

教育現場での荒廃が進む中、政府や文部科学省のミスを教職員組合や現場に押し付けて責任転嫁し、間違った教育改革を推し進めても状況が改善しないのは明らかである。それに加えて、力量のあるベテラン講師という人材を邪険に扱えは、ベテラン講師たちが現場に見切りをつけて次々に学校から去っていくだろう。そうした中で、様々な問題が深く静かに進行していく。日本全体から見ればほんの一部に過ぎない大企業の利益や党利党略、目先の収支に目を奪われて愚かな選択を続ければ、やがて大きな問題となって爆発する時が来る。そうなる前に、方向転換をすることを願うばかりである。

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