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2007年8月20日 (月)

死の天使…死者を導くものは

オラース・ヴェルネという画家がいる。1789年にパリで生まれ1863年に亡くなっている画家である。一般の人々にはそれ程馴染み深い画家ではないだろうし、私自身も、「死の天使」という1851年の作品以外の絵は知らない。けれども、この「死の天使」という作品が強く心に残っている。

死の瞬間を迎え、天に召されようとする若い娘。そのベッドの側でうつむき、絶望している男。彼は、この娘の父親なのだろうか。それとも婚約者だろうか。そして、娘の背後にいるのは黒いフードを被り猛禽の翼を持つ存在。天使というイメージはないが、娘は穏やかな顔で目を閉じ、右手の人差し指を天に向けているし、娘の頭上には彼女を導くように一筋の光がさしている。

愛する者を失う、残された者の悲しみと絶望は深い。その視線から見れば、死という形で愛する者を奪っていく存在は、光に満ちた神々しい存在とは必ずしも思えないだろう。けれども、現世の苦しみを離れて天に召されていく者を導く存在は、導かれる者にとっては、やはり天使なのだろう。

そう信じることが、残される者の悲しみを和らげるだろうし、死を前にした者の恐怖を薄れさせてくれるのだろう。その意味で、【死】は人間という存在にとってとてつもなく重い。その重さから逃げることなく、今の生の瞬間を大切に過ごしたいものである。

 

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コメント

私はタロットを占うのですが、死神って天使なんですよね。みんなあのカードがでるとすごく嫌な気分になるのですが、絵柄からしてやっぱりそう思ってしまうのは仕方ありません。でも実際には古いことを全て終えることで、新しいものが生まれる、輪廻とでもいうのでしょうか、それをしてくれるのが死神という天使なんですよね。考え方では死って終わりではなく、始まる為に終えることなのですが、やっぱり怖いですよね、考えると。

投稿: アサヒ | 2007年8月21日 (火) 16時37分

タロットはロマ民族(通称のジプシーやボヘミアンといった呼び方をされたりもするが)のイメージが強いですが、教皇などのカードもありますからキリスト教の文化とも深く関わってます。でも、輪廻は仏教やヒンズー教の概念です(笑)。私も、タロットは嫌いじゃないです。中森明菜の「ジプシー・クイーン」なんか好きですね。

投稿: TAC | 2007年8月21日 (火) 23時07分

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