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2007年9月22日 (土)

96式中型陸上攻撃機

96式中型陸上攻撃機、略して96中攻は、日中戦争から太平洋戦争にかけて使われた、魚雷や爆弾を搭載して敵を攻撃する海軍の攻撃機である。華々しい戦果と言えば、イギリス海軍の誇る浮沈戦艦プリンス・オブ・ウェールズと高速戦艦レパルスを、後継機の一式陸上攻撃機と共にマレー沖海戦で撃沈した事であろう。

このマレー沖海戦は、真珠湾攻撃と共に、戦艦に対する航空機の優位を決定付け、戦艦を中心とした海戦から、空母・航空機中心の海戦へと戦術を一変させるきっかけとなった。皮肉な事に、最初に航空機中心の海戦を大規模に展開した日本が、旧来からの大鑑巨砲主義を捨て切れず、沖縄戦では航空機の護衛もつけずに戦艦大和を沖縄に向かわせ、アメリカ軍の航空機を中心とした爆撃や雷撃によって世界最大の戦艦大和を失い、敗北へと至るのだが……。

だが、この96中攻は中国戦線においては渡洋爆撃と呼ばれた中国本土への爆撃を繰り返し、南京や重慶などの都市も爆撃している。都市への無差別爆撃の先例を作ったのはドイツだが、日本軍も後に続いており、それが結果として日本の都市への爆撃を正当化する口実をアメリカ軍にも与えてしまったと言えなくもない。

加害者は、相手の痛みを過小評価し自らの罪をごまかし忘れようとする傾向があるが、被害者は、その痛みを忘れない。日本が広島・長崎を世界にアピールし、それなりに説得力を得るためには、南京や重慶等の都市への無差別爆撃の罪にも真摯に目を向ける必要があるのだ。

その優れた性能によってマレー沖海戦で英軍の新鋭戦艦を航空機の力だけで撃沈し、海戦の戦法を一変させた96中攻。だが、中国戦線の戦果の陰で、多くの一般市民の命も奪っているのである。

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コメント

はじめまして。 アサヒ様のブログから参りました。 ぶりと申します。
九六中攻、九六式艦上戦闘機と共に沈頭鋲採用で空気抵抗を減らした航空機ですよね。 実は、私、航空機好きのオバサンで、目下の関心事は、コンコルドを凌ぐ?次期国産開発航空機の行方。

さて、この記事の趣旨からはずれますが、爆撃の愚かさ、戦争の悲惨さ、原爆の無意味さをいくら説いても決してムダではないと思いますが、一方では、核兵器などを手中することの効力を頼みにする輩や国家が輩出されており、結果として核拡散しつつあるという現実を目の当たりにすると、この(人類の)愚かさに対する有効な手立てはないものなのかと嘆息してしまいます。
どうも、お邪魔しました。

投稿: ぶり | 2007年9月30日 (日) 21時53分

いらっしゃいませ。プレデター辺りになると、味も素っ気もないですが、可変後退翼のF14トムキャットなんかはけっこう好きですね。メカとして…ですが。そのノリで零戦や紫電改、飛燕などの太平洋戦争中の日本戦闘機をけっこう取り上げてます。プラモデルもいくつも作りました。おかげで、零戦などはシルエットで、21型、32型、52型などの識別ができます。でも、ドイツが始め日本が続き、アメリカが大々的に行った無差別爆撃…そして核兵器の使用…といった戦争犯罪はきちんと意識しておく事が必要でしょうね。

投稿: TAC | 2007年9月30日 (日) 22時34分

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受信: 2007年9月25日 (火) 10時02分

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受信: 2007年9月28日 (金) 19時23分

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