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2007年9月23日 (日)

私たちの幸せな時間

昨日、久しぶりに映画館で韓国映画を見た。題名は「私たちの幸せな時間」。死刑囚の男と自殺未遂を繰り返す自殺願望の元歌手の女の恋を描いた傑作である。実は、2人とも最初は死を望んでいたのだ。母親に捨てられ、弟も失って寂しい境遇の中で大人になり、やっとできた恋人の手術費用のために犯罪に誘われて、殺人を犯してしまった男。生きる事に絶望していたために、仲間の分まで罪を背負い死刑判決を受けていた。一方、女の方も15歳で従兄にレイプされ助けを求めた時に母がそれを隠そうとした事に深く傷つき、死を望んでいた。

だが、女がシスターの伯母に連れられて刑務所に行った時に2人は出会う。お互いにどこかしら似ているところがあると感じ取った出会いから運命の歯車は回りだし、やがて少しずつ心を開き始める。そして、被害者の母親がシスターと共に面会に来て「許す」ことを伝えた時、男の目から涙が溢れる。人間としての感情を取り戻し、繰り返し誤り続ける男。その日を境に、男は「人間」に戻っていく。

繰り返される母との衝突と葛藤の中で生きる事に絶望していた女。だが、男に面会した時レイプされた秘密を語ってしまい、それをきっかけにして女も変わり始める。木曜日の面会室で2人は心を通わせ、お互いの距離を縮めていく。弟を失った過去とその弟が好きだったという女が歌った愛国歌。弟への思いが愛国歌へのこだわりとなって2人を出会わせた事。絶望ゆえに共犯者たちの分まで殺人の罪を背負い死刑…つまり死を望んでいたという事。女は共犯者たちに会いに出かけ、何とか死刑判決を覆そうとするがそれもかなわぬまま時が過ぎていく。

限りある命を大切に生きる事の意味、そして一瞬一瞬を大切に生きるからこそ訪れる幸福な時間、それを感動的に描ききったこの映画は、見ていて幸福になり、ラストでは切なく、それでも生きる事を大切にしたいという思いを心に燃え上がらせてくれる素敵な作品である。

 

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コメント

最近じゃ韓国のドラマが日本のテレビで放映されてから、めっきりブームとなっていますが、私はああいった華やかなものより、もっと哲学的なアジア映画としての韓国映画が昔からすきです。その代表的なのがマーニムでした。儒教の教えの強い韓国の旧家に嫁いだ女性の悲しい女の性、今日の記事を読んでふと、そんな昔にみた映画を思い出してしまいました。

投稿: アサヒ | 2007年9月24日 (月) 20時30分

母親が娘がレイプされた事を隠そうとする辺りに、儒教の社会的な影響を感じますが、一方で、キリスト教の「許し」の持つ意味について深く考えさせてくれました。ブッシュ大統領などの戦争を賛美し貧しい人々を戦争に送り市民を虐殺して平気でいる偽キリスト教徒は、自らの罪と許しの問題についてじっくり考える必用がありそうですがねぇ。

「得したなぁ」と思いながら映画館を出ました。できれば、今月はもう1本、映画館で映画を見たいですね。

投稿: TAC | 2007年9月24日 (月) 22時49分

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