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2007年9月10日 (月)

競争のコスト

競争がコストを削減し、効率化を促す…といったグローバル資本主義経済の「神話」がある。だが、これが本当に事実か、ということになると、実はけっこう疑わしい。人やモノの移動による社会の変化や環境への影響をきちんと数値化して理論化した上で議論しているグローバル資本主義経済の話は寡聞にして耳にしたことも目にした事もないからである。

例えば、生産拠点を中国やアジアに移す事によって人件費を削減する…という話は、削減するのが人件費だけで日本の進んだ公害対策や環境対策の技術はきっちりと日本のレベルで現地の設備にも役立てていたら、マラソンの開催による選手の健康への影響を懸念しなければならないほどの環境汚染の問題は起こっていただろうか。実は、「人件費」の削減のみならず「環境対策費」の削減が可能だから生産拠点を海外に移しているのではないか…という疑問が出てくる。その点も含めて「効率」を考えれば、答えはおのずと変わってくる筈である。

また、「人件費」も、実はそれが家計の収入を増加させて可処分所得を増やすことで内需の拡大につながる以上、必ずしも問題とはならない。特に家庭の経済的安定が精神的な安定へとつながり地域社会の結びつきを強めて治安を改善していく…という効果を考えれば、それを削る事によって生じる治安コストの増加、精神的な健康のためのコストの増加など、収支は必ずしもプラスとは限らない。

自殺者が3万人を越えたまま一向に減少しない現実、うつ病など精神的疾患の増加という現実は、過度の「競争」によって生じたコストを企業や政治や社会がきちんと負担していないという事である。逆に、大企業・財界やグローバル経済学者は、そうした点をきちんと考慮に入れて経済を論じていないからこそ「コスト削減」や「効率化」が可能となっているのではないか。

競争が、不要というつもりはない。だが、競争を煽る事は社会全体にとってマイナス面、コスト高になる面があることをごまかしてはいけない。もっと「競争」のコストをきちんと考える必用があるだろう。

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