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2007年10月31日 (水)

電車…あなたをなくしてまでも

岡村孝子の3rdアルバム『リベルテ』の3曲目に【電車】という歌がある。イントロの電車に揺られているようなリズムが、心地よく耳に馴染むが、しっとりと歌いこまれる歌詞に耳を傾けていると、胸に響くフレーズがある。

 

誰もが自分の生き方を見つけて歩いてゆくけれど

私は変わらずに私でいるしかできない

あなたを失くしてまでも決めた道を悔やむほど弱くなった私をしかって

あなたを失くしてまでも決めた道を進むほどずるくなって明日を変えたい

 

日々の仕事に追われ、自分を見失いかけたとき、ふと心に浮かぶ人。荒井由実/ハイ・ファイ・セットの【卒業写真】という歌もそうしたイメージを歌っているが、この【電車】は、思い出に抱かれるという感じではなく、自分の選択した「現実」にのたうちながらも、生きていこうとする思いがいっそう生々しく感じられる。

恋を選択する道もあった。だが、恋とは違う選択をした。でも、あの時に恋を選択していたら、今とは違う人生があったのだろう。けれども、実際には、恋を選ばなかった。だからこそ、今の「現実」がある。その「現実」の中で、ふと、疲れを感じてしまった時……。

もちろん、この歌は女性の立場・視点で書かれている。だが、男にもそんな瞬間がある。それでも、歩みを止めることなく進まなければならない「現実」を感じながらこの歌を聴くと、何となく励まされる。

自分の選択によって傷ついた人がいる。かけがえのない大切な人を傷つけた選択。けれども、そんな犠牲を払ってまでも納得できるような生き方をしてきただろうか。必ずしも、yesと言えない自分の今に、心は傷つき、疲れきっている。だけど、明日も生きていく。そんな、自分の中のしたたかさを信じたい。

聞いていて、こんな思いにさせてくれる歌である。

 

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コメント

昨日お邪魔して星の記事を読ませていただいて、私うらやましいなと思ったのです。星、すごく好きで、どの星がなんという名前か知っていたらといつも思います。それをご存知のTACさんに、とってもうらやましいとコメントしようとしたら、ココログのメンテでコメント書き込めませんでした。今日のこの記事、今私の周りに自分で選んだことなのに、三十路の終わりに到達して、ふと20代、30代を振り返り、これでよかったのか...と悩んで居る人がたくさん居ます。その人たちに読ませてあげたい記事だなと思いました。

投稿: アサヒ | 2007年11月 1日 (木) 01時04分

岡村孝子の感性は好きですね。この「電車」という歌の他にも「夢の樹」や「オー・ド・シェル(天の水)」「baby baby」「美辞麗句」などの歌はけっこうおススメです。機会があればぜひ聞いてみてください。

投稿: TAC | 2007年11月 1日 (木) 22時02分

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