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2008年5月15日 (木)

5.15事件

今日は5月15日。76年前の1932年の今日、当時の内閣総理大臣であった犬養毅が陸海軍の軍人たちに襲われ、殺された。5.15事件である。この5.15事件と4年後の2.26事件によって、大日本帝国憲法下の大正デモクラシーの時代に花開いた近代政党政治は終止符を打たれることになり、日本は、軍国主義と戦争への道を突き進んでいった。

もちろん、5.15事件は突然起こった訳ではない。前年の1931年には、軍部によるクーデター計画が発覚し、一般の人々の目には届かぬまま処理された、3月事件と10月事件が起こっているし、1932年の2月から3月にかけては井上準之助や團琢磨が暗殺される血盟団事件も起きている。背景には、軍部青年将校たちの政党政治や財閥に対する不満や怒りがあった。

金融恐慌から世界恐慌へ、そして昭和恐慌へと、途切れることもないほど続く大不況の中で、国民の生活は疲弊していた。そして、第1次世界大戦後の世界的な軍縮の動きの中で軍部の不満は爆発寸前であった。それでも、政党政治に国民の絶大な信頼があったとしたら、政党政治は、これほど簡単には消滅しなかっただろう。だが、そうならなかったのは、国民の多数が「政党政治によって私たちは幸福な生活を送れるのだ」という実感を持てない現実があったからである。国民が政党政治を信頼する気持ちを強く持っていれば、軍部の暴走に対しても大きな圧力となっていただろう。そうならなかったからこそ、軍部の暴走ができたのである。

そうした背景を考えたとき、5.15事件は、「むかしのこと」と片付けられない。我々は、もっともっと歴史に学ぶ必要がある。

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コメント

「TAC」様
 詩から歴史、現在の社会動向に関しても深い洞察力を表され感服します。闇の部分の本質を見ておられ参考にさせて頂いています。
 5.15事件、2.26事件は中学生の社会科で学び、日本の暗い歴史を知りました。軍部の暴走を許した、様々な背景があると思いますが、人々が政党政治に希望を失った要素も興味深く拝読しました。現在の人々は政治に希望を失うと、失望のあまり無関心になり、結果的には悪い結果を刈り取り苦しみを味わいます。現在は善、悪を見分ける知識、知恵、熱意が希薄で、ある意味で、政治、経済、教育等々は暴走しています。
 歴史は何を私達に教えているのか注意深く学び自分の生き方に生かしたいと思いました。
 記事を拝読させて頂き感謝を致します。

投稿: 宮崎 寛 | 2008年5月16日 (金) 13時50分

無茶な法律やいいかげんな法律もたくさん作られていますが、一方で、相手が法律を知らないと見ると、平気で差別対応や不法行為を行うような役人もいたりします。「歴史に学ぶ」という姿勢は、同じ過ちは繰り返さない為にも必要なことです。第2次世界大戦前の状況と、今の状況の類似点がとても気になる今日この頃です。

投稿: TAC | 2008年5月16日 (金) 16時49分

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