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2008年6月21日 (土)

ダメおやじ…見えない糸

古谷三敏が週間少年サンデーに連載していたマンガ「ダメおやじ」の14巻の6話目に「みえない糸」という話がある。ダメおやじが、大和グループのヒミコにユートピアを作るという夢/課題を託されて旅に出ている途中、ウンチクというバーのある町に滞在して、ウンチクに通いつめていた頃の話である。このウンチクというバーのマスターと常連のメガネさんは、後の古谷三敏の「レモンハート」というマンガの原型になっているが、この話にはメガネさんは登場しない。

ウンチクのマスターが、予定していた金(10万円)が入らず、骨董屋から買うつもりでいた皿を断るところから話は始まる。ところが、骨董屋はその代金を見越して石屋に墓石を注文していて、その代金が入らなかったため、墓石の支払いが出来なくなり、石屋はその代金を見越して買おうとしていた息子の車が買えなくなり、車の持ち主の出版社の社員はハワイ旅行をキャンセルせざるを得なくなって…という形で負の連鎖が広がっていく。

ところが、植木屋が遅れていた金をやっと作ってウンチクのマスターに支払いに来ると、すべてが好転して、結局、そのお金はそのまま植木屋に戻ってくる。八方丸く収まって、みんなはウンチクのカウンターで乾杯をするのだが、その経過をすべて見ていたダメおやじは、最後に「世界の経済ももとをただせばこれと同じなんじゃないのかな……」とつぶやく。ある意味では、分かりやすいが地味な話である。

とは言うものの、今あらためて読んでみると、けっこう含蓄の深い内容となっている。この関係の取引が丸く収まったのは、すべてが実際のモノやサービスをお金を介して取引する実体経済のレベルの話だからである。だが、ここに投機マネーが絡まってくると、取引額は増加するだろうが、欲望が疑心暗鬼をも生じさせて取引そのものが崩れてしまう可能性が生じてくる。それが、「今」の世界経済の状態である。

追加証拠金制度などを見ても、株などの投機の取引においては実際の紙幣が動くわけではなく、「情報」が行き交っているだけである。だからこそ、手元にある「紙幣」以上の取引が可能になり経済が拡大するわけだが、投機経済はその意味において虚構経済であり、「情報」の信頼性が失われれば「実体」を得られなくなりかねない不安定さをその奥に抱え込んでいる。だからこそ、実体経済と投機経済の乖離の幅が拡大し続ければ、地球レベルで、人々の生活を圧迫しかねないのである。

例えば、先物取引は、もともとは生産者のための価格安定の機能を持っていたために、生産者を守る働きもあった。ところが、買う側が主導権を握っている現在では、価格の高騰が必ずしも生産者の利益には結びつかず、実体経済を圧迫し続けている。ところが、「情報」はあくまでも「情報」に過ぎず、ハッカーなどの攻撃によって情報が破壊されたり、実体経済の側が「情報」とのリンクを拒否したりすれば、モノもサービスも失ってしまうことにもなりかねない。その意味において、現代の状況は危険なのである。国のレベルを超えてこの問題に取り組む必要があるだろう。

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