« かわいい女・いい女・パートナー | トップページ | 余市…スコッチではないが »

2008年8月20日 (水)

リューズとクレア…映画「銀河鉄道999」より

映画「銀河鉄道999」で、主人公の鉄郎のために命を落とす2人の女がいる。1人は、鉄郎の母の敵(かたき)である機械伯爵の愛人リューズ、そしてもう1人は999の食堂車でウェイトレスをしているクレアである。共に、原作のマンガやTVシリーズにも登場するが、それぞれに魅力のあるキャラクターである。

前回の記事のコメントで、リューズを《いい女》、クレアを《かわいい女》に分類した。リューズは、愛する男の命じるままに機械の身体を改造し、やがて時間を自由に操れる力を身に付けてしまった。「男の言いなりになる」という面では、一見、男にとって《かわいい女》と見えなくもないが、その結果として「時間を自由に操る」という【毒】を身に付けてしまった。そうした生き方にリューズ自身の心に満たされない想いがくすぶり続け、鉄郎との出会いによってそれを自覚したリューズは、自分の男である機械伯爵の絶体絶命の危機において彼を裏切るという選択をする。

クレアは、見栄っ張りの母親によって、自分の身体をクリスタル・ガラスにされてしまい、冥王星に眠っている自分の身体を買い戻して生身に戻るために999で働いている。999での旅の過程で、クレアは鉄郎に対しほのかな恋心を抱いており、惑星メーテルの崩壊から脱出して999に乗り込み、鉄郎を殺そうとした機械帝国の女王プロメシウムから鉄郎を守るために砕け散ってしまう。

リューズの選択は、自我の確立に失敗して流されながら時を重ねてしまった自分自身の虚しさから解放され、自分を取り戻すための決断だったが、機械伯爵への情に殉じて、自らは時間城の崩壊を前にしながら脱出をせずに、機械伯爵のなきがらと共に時間城の中で錆びて崩れ落ちていく。その最期には女の哀しさが漂っている。

クレアの選択は、「ロミオとジュリエット」のジュリエットのような若さゆえの真っ直ぐな想いが感じられ、この映画を映画館で初めて見た若い頃には、そのけなげさに胸を打たれたものだった。若い頃であれば、恋人としての理想像の1つであったろう。ただ、歳を重ねた今は、また少し違った感覚もあるのだが……。

「銀河鉄道999」の女性を考えるとき、まず頭に浮かぶのはメーテルであり、次にエメラルダスを思い浮かべることが多いが、リューズやクレア、メタルメナなど、メーテルやエメラルダスの他にも、けっこう魅力ある女性たちが登場する。それを楽しむのも、999の楽しみ方の1つだろう。

|

« かわいい女・いい女・パートナー | トップページ | 余市…スコッチではないが »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/120394/23119991

この記事へのトラックバック一覧です: リューズとクレア…映画「銀河鉄道999」より:

« かわいい女・いい女・パートナー | トップページ | 余市…スコッチではないが »