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2008年8月 7日 (木)

藩札というシステム

藩札とは何か。それは江戸時代に、藩の中だけに通用したお金である。その意味では、藩という枠内での地方通貨ということになる。その存在を知ったのは、三船敏郎主演のテレビドラマ「大忠臣蔵」においてであった。史実としては、赤穂事件…ということになるが、時は元禄時代、武断主義から文治主義への転換期にあって、商業の発達の中で旧来の戦国武士的な精神を残す藩にあっては藩財政の悪化と藩札の導入は説得力のある設定だった。ただ、当然、藩がつぶれれば藩札は何の値打ちもない紙切れになってしまう。藩が健全に存続することによって藩札は地域通貨として通用していた…ということになろう。

この、藩札というシステムだが、地域通貨として性質を考えれば、現代風にアレンジすることによって地産地消を促進して地域経済を活性化し、内需を拡大するのに使えないか…という風に最近は考えるようになった。もちろん、1地方都市などのレベルでそれが乱立すれば煩雑になり不便だが、例えば東海とか近畿といったレベルで「近畿円」とか「関東円」という形で設定し、円との交換比率を設定して、例えば近畿なら近畿という地域内でなら円も「近畿円」も自由に使えるが、 公共事業その他の入札の条件に規模に応じて「近畿円」の発注、円の発注というような形で地方の企業と大企業の発注条件を制限したり、交換比率の設定の際に他地域や外国からの流入については環境への負荷のコストを課税するといった方法で地域の産業を保護・育成する手立てに出来ないか…と考えているのである。

「外からの安いもの」の流入が、地域の製造業を圧迫し、人件費が抑制されて家計が苦しくなり、内需が弱体化する。これが今の不況のスパイラルだが、逆に言えば、地産地消によって食料を含む地域の産業を活性化させ、長距離移動による環境への負荷を低下させて地域の仕事を増やせば、家計の可処分所得が増え、内需の安定にも繋がってくる。そのような形でお金が多くの人の手を介して動けばその過程で所得が生まれ、税収の増加も見込まれる。地域での消費は、地域通貨が割安になるように設定してやれば、地域での消費を刺激することにも繋がるだろう。

もちろん、これはちょっとした思い付きの段階であり、実現を目指すとしたら当然詳細な検討が必要となってくるだろう。けれども、小泉・安倍・福田と続く「改革」の失敗による日本社会の荒廃は目を覆いたくなるようなものがたくさんある。それを何とか改善するための工夫や発想は、どのような形であっても注意してみるべきではないだろうか。個人的にも、まだまだ詳細な部分を考えていきたい発想だが、今回はまずblogの記事の形でupしてみた。意見を聞かせていただける方があれば、詳細な検討の際には不可欠なので、ぜひコメントを頂きたい。これからも、いろいろと考えてみようと思っている。

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コメント

う~ん。難しいことは全然わかりませんが、さる十年ぐらい前、公明党の案が通ったとかで、子供を持つ家庭に、お金がばらまかれたことがありましたよね?その時、ウチは二人の赤ん坊がいたのですが、使えるお金が、確か、チケット制で、期限があって、地方の限られた店でしか通用しなくて…で、結局期限ぎりぎりになって、もったいないので、紙おむつを大量買いした記憶(定かでないのですが)あります。量販店の特売日なら、もっと安く買える商品をわざわざ大量に買い、しかもすぐ消費してしまうモノだったので、全然ありがたみがわきませんでした。
地方の農業や文化を守るための通貨として使われるような工夫が…私には皆目わかりませんが…必要なんでしょうね。そうなると、ホントにホントにいいのですが…

投稿: miki.lucy | 2008年8月10日 (日) 01時13分

別に海外市場で勝負しようとする企業は、それでいいけど、地方の中小企業や第一次産業には、海外は関係なしで自己完結する自由があっていいと思います。その方が環境破壊を抑制できるし、生活可能な仕事があれば、地方に残る若者や戻ってくる熟年などもいるでしょうから。大企業のみに優しい暴走資本主義の抑制のために、大企業を割高にすることで地域の企業を守る地方通貨があってもいいのかな?と思います。換算レートそのものが課税となるシステムで良いと思うので。

投稿: TAC | 2008年8月10日 (日) 22時47分

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