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2008年9月22日 (月)

学校…夜間中学の姿

山田洋次監督の映画【学校】は15年ほど前の1993年の映画である。15年の構想、しっかりと地に足の着いた取材の末に完成したしたこの映画は、夜間中学を舞台にしたすばらしい作品である。若い頃からけっこう映画を見ているが、大抵、映画館に見に行くのは1度だけである。が、この【学校】だけは違っていた。自分でそのためだけにお金を払って2度も映画館に見に行った唯一の映画がこの【学校】なのである。

個人的には、夜間中学には思い入れがある。大学の卒論のテーマに選んだのが夜間中学であり、3年生の時には2週間に1度は大阪の夜間中学に通い、東京やその他の夜間中学の作文集なども手に入れて読んでいた。そのため、映画のエピソードの中には元のエピソードが特定できるものもある。田中邦衛が演じたイノさんなどは特にそうである。

ただ、現実の夜間中学の現場は過酷である。40年ほど前から登校拒否/不登校や在日外国人の問題、識字教育、就労問題など、壮絶な問題を山ほど抱えていた。それに接した経験があったから、登校拒否・不登校の問題や外国人の識字教育の現場でたじろがずにすんだのかも知れない。あるいは逆に、夜間中学に接したからこそ不登校問題や外国人の識字問題に関わったのかも知れない。

それゆえに、中途半端な作品であれば、怒りを覚えただろう。けれども、丁寧に作られたこの映画は、過酷な現場を知る者にとって納得のいくものであったと同時に、深い感動を与えてくれるものであった。50歳を超えてから夜間中学に入学し底辺で働きながら学校に通い続け、学校生活を精一杯楽しみながら卒業を前に癌で亡くなったイノさんの人生、不登校から夜間中学に通い出し、将来への夢を見出した江利子の決断、鑑別所を出て、昼間の学校にはじき出されたみどりの出会い……それぞれの生徒達のひたむきさ、迷いながらも生徒達に必死に向き合おうとする先生達の姿。その1つひとつが胸を打つ。

今夜は、久しぶりにTVで放映されていたので、あらためて【学校】を見た。何度見ても、1つひとつのシーンが心に切なさとほんのりとした温かさを残し、希望を紡いでくれる。冨田勲のほのぼのと音楽に抱かれ、優しい時間が過ぎていった。

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コメント

「学校Ⅱ」では、ブレイクする前の浜崎あゆみが、主人公のリュウ先生の娘(ミュージシャンになりたがっている)役で出ていました。冒頭だけの、ほんのチョイ役だったのですが……。

投稿: TAC | 2008年9月26日 (金) 22時12分

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