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2008年11月16日 (日)

その歴史認識では…

田母神前空幕長の歴史認識についてのレポートと更迭の際の発言が問題になっているが、憲法上の国家公務員の憲法遵守の義務違反であることは明白で、その点からだけでも、空自のトップとしての資質に欠けていたことが分かる。ただ、職務的な観点からでも、彼の歴史認識は問題である。なぜなら、報道されている程度の歴史認識であれば、いざ、戦闘状態に陥ったという緊急事態に際して、空自は勝てないからである。

太平洋戦争の敗因は様々あるが、兵站/補給の軽視と失敗はかなり大きい。「大東亜共栄圏」の構想が、単なるお題目・ニセ宣伝でなく本当の意味で、「解放区」の人民の自由と反映をもたらすものであれば、占領地の人々は、進んで軍に協力しただろうし、英米の再進攻に際しても、日本に協力する人が多数出ていただろう。

だが、インドネシア等の例を見ても、日本軍のための物資調達のことだけを考えて軍票を乱発し、占領地の経済を疲弊・悪化させた。これは、軍票という形をとったとしても略奪と何ら変わるところがない。そうした点からすれば、被害者からすれば「侵略」という判断となるのは当然である。そのような感情を考えれば、「侵略」のごまかしをするような認識を周囲の国々やその国民が持っていては物資の補給にマイナスとなる。

加えて、「侵略はなかった」という歴史認識では、兵站/補給の失敗の本質に迫ることが出来ず、歴史に学ばない者の宿命として同じ失敗を繰り返すことになる。そのような人物が空自のトップに座っていたこと自体が恐ろしい。これでは、有事の際に日本の国自体を守りきれないだろう。その意味では、遅まきながらも、更迭されたことは国民にとって幸いだった。

それにしても、資質に欠ける前空自幕僚長といい、社会保険庁といい、資質に欠け、まともに仕事ができない連中がどうして国民の税金から高い給料や退職金がもらえるのだろう。その種の無駄遣いをまず一掃しないことには、財政再建は無理だろう。無駄な「給付金」や増税の議論の前に、やるべきことをきちんとやって、首相自らが税金泥棒ではないという範を示す必要があると思うのだが。

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コメント

[TAC]様
 興味深く拝読させて頂きました。
 当時の日本軍の「解放区」の人民の自由と繁栄をもたらすものであれば、占領地の人々は進んで軍に協力」のご見解に賛同です。
 当時の日本政府と軍が東南アジアの人々の真の福祉と自国の軍の人々の福祉を願うものであれば、食糧や必要物資の補給計画があり、それらの補給が先行しなければならなかったはずです。食糧の補給すら無計画、現地の軍の規律は乱れ、現地の人を苦しめた結果は、自国民と他国の人を虐待する非道な侵略戦争であったことは明々白々としています。
 補給計画無き、軍の進行は現地の食糧の奪略も容易に予想のつくことだったに違いありません。
 家内の父の南方での、食糧無き無残な日々の経験、また、ご年配の南方で命を取りとめて帰国された方の食べ物が蛇やトカゲ、かえるの卵はまだ良かった話を聞けば、他国民と自国民共々に「耐え難い苦しみ」を与えた戦争は再び起こしてはならないと思います。
 「心の欠けた」、「偏りの大きい」いわば、能力に欠けた高官が高い給料を受け取り、民間企業では考えられない高額の退職金を受け取る、不公正に唖然とします。対処しにくい危機の時代です。

 国会も本質を正せない質疑を繰り返し、税金の無駄使いが絶え間なく続きます。「給付金」の愚考は政策無き、「盲目の案内人」に成り下がった姿を露呈しています。

 愛と公正、親切、善良、慎みの行き渡る社会を待ち望んでいます。

 良い記事に感謝を致します。

投稿: 宮崎 寛 | 2008年11月16日 (日) 22時25分

歴史認識というものは、感情に左右されない客観的なものであることが大前提のはずです。にも関わらず元空自のトップや自民党の国会議員がそれを持ちえていないことを今回の事件は露見させてしまいました。情けなくも恥ずかしい話です。

正しい認識のできない指導者に率いられては、現場がどれ程優秀でも破綻に至ります。麻生首相など、我欲ばかりで基本的な愛国心は持っていないのでしょうね。自民党をはじめとする国会議員たちもそうでしょうけど。

投稿: TAC | 2008年11月17日 (月) 20時39分

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