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2008年11月21日 (金)

コミュニケーションの断絶とテロ

年金制度「改革」に深く関わった元社会保険庁の職員や家族が連続して襲撃される事件が起きた。テロリズムという暴力は決して許すことはできない。が、その一方で、テロリズムを生み出す土壌としての貧困やマイノリティーの抑圧が社会に存在している。それは、昭和初期の血盟団事件や、五・一五事件、二・二六事件などの軍国主義へと至る過程の歴史が教えてくれる。当時の日本には東北地方など農村の貧困や労働者たちの窮乏があったし、パレスチナも北アイルランドも、貧困とマイノリティーの抑圧が存在した。

例えば、年金制度「改革」に際しても、国会の議論の中でいくつかの問題点が明らかになっていたにも関わらず数の横暴による採決が行われて、少数意見は抹殺された。一部の富裕層を除き、社会における貧困は増え続けている。その状況に絶望した時、「問答無用」となり、テロを生み出す土壌が生まれる。

絶望の深さは、時として自らの命をも顧みない暴力へと人を駆り立てる。それがテロである。だから、テロを武力で押し潰そうとしても、貧困とマイノリティーへの無視や抑圧が続く限り、テロは新たなテロを生み、暴力の連鎖はエスカレートしていく。

逆に、苦難に耐えているマイノリティーの言葉に耳を傾けていれば、対話は続く。対話が続けば、絶望することはない。絶望して自暴自棄になり問答無用の暴力に身をゆだねることはない。北アイルランドの紛争も、民間のエンカウンター・グループによる対話の回復が状況を少しずつ変えていく力となった。

とりあえず、暴力を止める力を否定するつもりはない。けれども、力で押さえつけるだけではテロは無くならない。マイノリティーとの対話と貧困の撲滅への行動こそが、本当のテロとの戦いなのである。

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