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2008年11月10日 (月)

迷走「給付金」のウソ

麻生首相の「給付金」が迷走し続けている。「100年に1度」という経済危機の中で、麻生首相自らが出してきた各家庭への「給付金」だが、実際は政府から給付されるのではなく、税金からまかなわれるものであり、「還付金」と言った方が正しいのではないか。いかにも「政府が与えてあげる」という発想が見え見えのネーミングに、麻生首相の意識が透けて見える。

『銀河英雄伝説』に登場するとある政治家の言葉を借りれば、政治家は税金の公正な配分を委託されただけであって偉く見えるのは政治宣伝の結果に過ぎない、という事になるらしい。また、映画『DAVE』でも大統領の影武者を勤めたDAVEの議会での最後の演説によれば「臨時雇い」に過ぎないのが政治家である。だからこそ、国民の生活と福利の向上のために最善を尽くす義務があるのだ。

にも拘らず、このところの自公政権が行ってきたのはアメリカの一部富裕者の利益のみを代弁したブッシュ政権の走狗になって、日本の国民生活を破壊し続ける政策を次々と打ち出して人々の生活と精神を荒廃させてしまった。内需を徹底的に破壊した結果が、外需頼みの産業構造となったのだが、サブプライム・ローン問題から広がった世界レベルの金融不安によって、それも危機に陥ってしまった。

そこで「給付金」なるものを出して来たのだが、実際問題として使われなければ何の意味もない。だが、3年後の消費税増税をセットにしたことで、不安を感じて使えなくなってしまった。内需を拡大するためには、使えるお金を増やすことと自由な時間を増やすことが大切になる。だから、給付金よりも正規雇用を増やし、労働時間を短縮して、家計収入と家庭での自由時間を増やすことに尽力すれば内需が増えてくる。

加えて、一連の金融危機の元凶は「マネー」の暴走である以上、株取引の優遇税制を撤廃するなどの「マネー」の暴走を封じ込める政策転換をするべきなのである。ただ、そうしたことを行うには、国民の支持が必要となる。3代続けて国民の審判から逃げ続けている自公政権に、その正統性はない。正統性がないからこそ、「給付金」なる単なる思い付きをウソで塗り固めた政策を出すしかないのだろう。そして、それ自体が政権担当能力の無さを露呈させる結果ともなっている。麻生政権は、早くも末期的症状である。当初の予定通り、早く解散した方が、傷は少なかったに違いないと思うのだが……。

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コメント

[TAC]様
 御無沙汰を致しました。

「給付金」→「還付金」は成る程で、納得です。政府は税金を公正に使用し、国を治めるのが仕事ですから、確かに税金を返還するのは、「還付金」が正しいと思いました。

 政治家は→「税金の公正な使用並びに国民の生活と福利の向上に最善に尽くす」も、その通りと思います。現在は大きく狂った政治になっていると思います。

 現政権は今日の世論調査結果報告でも不支持が上回っています。早い不支持の増大は、世界経済同時不況に対する不安がいかに強いかの表れと苛立ちと思います。

 内需拡大政策について、私は1970年代半ばから、労働時間の短縮と雇用の拡大を図るために「Work Shearing」を提唱し取り組んでいました。深残業は不可で、管理能力の無いことの証拠のみならず、その分は新規雇用に配分し、定時で退社し、個人の自由時間を生み出し、個人の能力を養う時間や家族との時間を増やす健全な生活に戻すことによって、結果として内需が拡大する言う考えに立って、運動をしました(私は当時はクリスチャンではなく労働組合の仕事と、会社から参議院(当時の民社党)を出していて、政治活動にも参加していました)。
 多くの製造業が海外に出ると、技術の「ドーナツ現象」と「ブーメラン」効果で、企業と国が弱体化の道を歩み始める危惧があり、いかに適正な労働配分と工場の配置を考えるか、エンジニアでありながら、取り組んでいました。
 土光さんの「第二臨調」の時も、大いに期待し、働きましたが、その提言も政府は「反故」にしました。残念なことで、政府は堕落するばかりです。
 少し、年寄りの愚痴になり申し訳御座いません。
とにかく、政治家は5,10,50、100年先を見据えて、国民の社会に公正と福祉が行き渡る政策を立案して、実行して欲しいと願っています。

 興味深く拝読させて頂きました。有難う御座います。

 

投稿: 宮崎 寛 | 2008年11月11日 (火) 23時22分

最近の給付金のnewsについて、TACさんなら言及しているだろうと思い、覗きにきました。
還付金、そのとおり、政治家の役割、そのとおり。
的確なご意見に胸のすく思いです。

投稿: 直江津いちご | 2008年11月14日 (金) 16時42分

政治を過信してはいけないですが、1人ひとりの力で暴走をチェックすることは大切です。歴史に学べば、もっと違う方法や工夫があると思うのですが、元空自幕僚長をはじめとして歴史に学ぶ能力にかけた連中が欲ボケで権力にしがみついているようです。「愛国心」を発揮して、この種の寄生虫をたたき出す必要がありそうですね。

投稿: TAC | 2008年11月15日 (土) 01時24分

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