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2009年1月 9日 (金)

再び【DAVE】…完全雇用を目指して

昨年の1月にも取り上げた映画だが、この社会・経済情勢の中でもう一度取り上げたい映画、それが【DAVE】である。伊勢にある個性的で良質の映画を上映している進富座という映画館で何気なく見て感動し、LDとDVDを買ってしまった映画である。1993年製作、監督はアイバン・ライトマン、主演はケビン・クライン、シガーニー・ウィーバーも大統領夫人エレン役で共演している。

ストリーは、大統領の物まねと仕事の紹介で生計を立てているDAVEが脳溢血で倒れた大統領の替え玉として首席補佐官ボブに操られていたのが、持ち前の優しさと大統領夫人エレンへの想いの中で目覚め、ボブと対立した後、人々の為に完全雇用法案を提出するが、ボブの逆襲にあって彼と刺し違える形で元の生活に戻るが、ナンス副大統領がその意志を受け継ぎ、DAVE自身も人々の生活を守るために政治家としてのスタートラインに立つためにDAVEとして地方議員に立候補をする……というものである。

ヒスパニックなどの弱者の側に立って仕事を斡旋するDAVEは、どこかの国の悪質な人材派遣会社とは違って、それだけでは生計は立てられないので、大統領のモノマネ・ショーで収入を補っている。だからこそ、雇用の大切さを痛感している。ボブとの決裂の後、完全雇用法案の提案の演説をするDAVEの姿は、しんみりとした中に深い思いやりを感じさせながら、説得力があり、取材陣の中からも「Thank you Mr. President !」という声が上がる。個人のレベルでも、社会的なレベルでも、雇用の大切さを再認識させてくれる、地味だが感動的なシーンである。

ホームレスの子どもたちの施設を訪問した後、ボブの画策したホームレス施設への予算削減を撤回する閣議のシーン、国会での演説の途中で倒れて大統領の影武者を降りた後、ひっそりと去っていくシーンなど、胸を打つシーンは多い。その意味において、難しいことを考えなくても映画として楽しめる作品である。けれども、ただ楽しいだけではなく、後の余韻も深い映画である。

その余韻の1つに、「完全雇用政策」がある。働く意志と能力を持った人々が、失業によって生活を脅かされることなく、安心して働くことのできる社会は健全であり、モラルも治安も税収も安定してくる。普通の人が普通に働けば普通に生活でき、家族との交流を深めながらもボランティアもできる社会こそが目指されるべきなのだ。小泉「改革」後の日本やブッシュ政権下のアメリカで軽視され、ないがしろにされていった理想である。けれども、その結果がどうなったか。多くの人々が実感していることだろう。

映画【DAVE】はフィクションである。けれども、そこには求められるべき社会の姿も描かれている。この映画からのメッセージをきちんと受け止め、多くの人々が幸せに暮らせるような未来につながる決断や選択をしていきたいと思う。

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コメント

私も、観たくなりました〜!
いつ頃制作された映画なのでしょうか?
広告や宣伝はあまりされなかったんでしょうか?
ノーチェックでした。

TACさんの文章を読んだら、すぐに観たくなりました〜!

投稿: miki.lucy | 2009年1月10日 (土) 09時14分

本文にもあるように93年の映画ですから、15年ほど前の作品です。でも、時々見たくなって見ます。中古のDVDを1500円で買ったときは、むちゃくちゃ得をした気分でしたね。

昨日、また見たくなって、ティーチャーズをお湯で割って(寒かったのでホット・ウイスキーにしました)飲みながら見てました。何度見ても、見終わった後、心が温かくなります。

投稿: TAC | 2009年1月10日 (土) 13時00分

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