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2009年4月21日 (火)

「よその子」と「ひとりでお帰り」…知らない誰かのために

自分の利益のために……だとか、周りの身近な組織や集団のために……といった利己的な判断がよく目に付く今日この頃、谷山浩子の歌をセレクトしてmy favorite songs の音楽CDを編集していて、二つの歌をセレクトした。1つは、アルバム《宇宙の子供》の中の【よその子】、そしてもう1つがアルバム《銀の記憶》の中の【ひとりでお帰り】である。両方とも、アルバムの第1曲目に置かれている。

 

ここから見える全ての家の 全ての人の幸せを 祈れるくらいに強い心を 強い心を 僕は持ちたい ここから見えない全ての家の 全ての家の幸せを 祈れるくらいに強い心を 強い心を 僕は持ちたい きみはよその子 宇宙の子供 全ての家の 窓を開くよ きみはよその子 わたしの子供 閉ざした心の窓を開くよ ……【よその子】より

きみの今のその淋しさが 遠い街の見知らぬ人の 孤独な夜を照らす ささやかな灯に変わるだろう …… たとえば夜が深く 暗がりに足が怯えても まっすぐに顔を上げて 心の闇に沈まないで どんなに淋しくても きみはひとりでお帰り どんなに淋しくても きみはひとりでお帰り ……【ひとりでお帰り】より

 

生きていれば、どこかで辛い思いや悲しい思い、淋しい思いを経験するだろうし、その中で心に深い傷を負ったりもする。けれども、そんな心の闇をきちんと見つめ、それを超えていく過程で、人は成長し成熟するし、強くなると同時に、他者に対して優しくなれる。それを実感できたとき、この2つの歌の歌詞が深く胸に染みこんでくる。

孤独の辛さや淋しさに耐え、それに押しつぶされそうになりながらも、「全ての家の幸せ」を願う。あるいは、自分の辛く悲しい経験を、他者の「孤独な夜を照らすささやかな灯」に変えていく努力を続ける。その中には「利己心」や欲望を超える深い愛がある。まだ、そこまでは至らない自分の弱さや小ささを自覚しつつ、それでも努力を続けていこうとする意思。それこそが本当の強さであり、また本当のやさしさにつながっているのではないだろうか。そのような生き方を大切にしようとする人間でありたいと思う。

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