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2009年4月28日 (火)

低所得放置が財政難を呼ぶ

ワーキングプア問題が世界的な大不況の中でいっそう深刻になっているが、政府与党の対策は低所得者層への還元率が低く、高額所得者の方が恩恵を受けやすいために、効果として疑問視される……という意見が少なくない。その上、消費税を上げる話まで出て来ている。その通りになれば、税の逆進性はさらに進み、所得格差はいっそう大きくなる可能性が高くなる。

だが、低所得者層の放置やさらなる逆進性は、財政をいっそう悪化させる。低所得者層の増加は、当然、所得税の税収減につながるのみならず、社会保障の支出を増加させることにつながっていく。逆に、低所得者層を減らすようにすれば所得税の税収は増え、社会保障費用の支出減にもつながってくる。そうした観点からしても、政策として意識的に低所得者層の減少を図るのが財政再建の意味からも正しい選択と言える。

ところが、自公政権は、ずっとその逆を進めてきた。例えば、ワーキングプア公務員の問題である。以前、非常勤講師の労働条件について書いたことがあったが、実は行政サービスの分野では、学校の介助員や学習支援教員などをはじめ、保育所の保育士、市役所関係の事務職員など多くの非正規職員を抱えている。非正規の場合は、時給が1000円を割ることも少なくないので、年収が200万円にも満たないワーキングプア公務員が増えている。また、民間業者への請負契約なども、人件費の削減がそのまま現場労働者の賃金の削減につながったりして、低所得者を増加させている。派遣や請負の労働形態は民間企業の人件費を低下させたが、その分労働者の可処分所得の低下による内需の弱体化と所得税の税収減につながる。そうした現実は、実は公務員の世界にも広まっているのである。

だが、低所得者層が働かないかというとそうではない。例えば、特別支援教育を支える学校の介助員などは1000円にも満たない時給、10万円そこそこの手取りにも関わらず、関わる子どもたちや学校のために十分な休憩時間もとらずに働いている。時として専門的な知識も必要となるが、十分な研修も保障されずに日々の仕事に追われていたりするのである。介護の現場もそうだが、専門的で厳しい労働条件にも関わらず収入が十分でないと生活のために離職という選択をせざるを得ない場合も少なくない。けれどもそれは、仕事や生活に見合った収入を保障しないからであって、離職や転職をする側の責任ではない。夢や責任感が低賃金によって駆逐されてしまうのである。

それに対し、一方では社会保険庁のように、まともに仕事をせずに高い給料だけもらい、ミスの尻拭いにさらに税金を使って平気で居座っている連中もいる。おかしな話である。そういう連中の給与支出をこそ徹底的に減額する必要があると同時に、現場で本当に必要な労働力に対して、きちんとした正当な賃金を保障する必要があるのではないだろうか。それが、所得税の税収増にも、内需の拡大にもつながるのだから。

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