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2009年4月22日 (水)

今一度問う、何のための学力テストか

全国一斉学力テストが今年も行われた。市長の異常な圧力のせいもあって、今年は犬山市も学力テストに参加したが、犬山市の教育委員会は、この学力テストを少しでも犬山市の教育に生かすために迅速に「どのように使うか」を決めて公表した。その姿勢は、教育を知る者にとっては、やる以上は犬山市の子どもたちの教育の改善のために直接生かそうとする強い意思が感じられた。逆に、犬山市長のコメントは、教育に対する乏しい知見と犬山市の教育に対する無責任で感情的な考え方を露呈することになった。

一方、私立学校の受験率は連続して下がり続け、3回目の今回は60%台にまで落ち込んだ。これは私立学校が「この学力テストに意味はない」とシビアに判断した結果である。私立学校といえども、憲法・教育基本法・学校教育法等に定める基準を満たしているので、広い意味においては《公教育》の一環を担っている。それが、「不参加」を選択する学校が年々増加する……ということの意味は決して小さくない。

ある意味においては、不参加を決めた私立学校の増加と、犬山市教育委員会の対応は、文部科学省が推し進めた全国一斉学力テストの教育政策的な意味を突きつけているのである。問題の内容がころころ変わって定点観測の意味もなくなっているし、何よりも、なぜ、全員に受けさせるのか……ということの説明は3回目を数える現時点においても十分に説明されたとはいえない。そして、採点やデータ処理に費やす時間とその生かし方についても、すっきりとした説明がされているとは言いがたいし、何よりもここに使う予算を特別支援教育や学校カウンセラーの常設、30人学級の実現等に当てた方が、ずっと子どもたちの現状の改善に直結するだろう。

現状の形でズルズルと学力テストを続けるのは時間と予算の無駄である。文部科学省は、学力対策のアリバイ作りと一部の企業を設けさせるだけで大して意味のない全国一斉学力テストを取りやめ、せめて先進国並みの20人学級(30人学級ではない、念のため)を実現するための努力と予算の重点配分を優先すべきだろう。

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