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2009年5月 9日 (土)

レリューズ…もう1人のリューズ(コミック&TV版999より)

「銀河鉄道999」の原作コミックおよびTVシリーズにレリューズという機械化人の歌手が登場する。惑星ヘビーメルダーの時間城で暮らしているところや時間を自由に操れる能力などは、映画版999のリューズと同じである。ただ、原作コミックとTVシリーズでは先に《リューズ》が登場していることもあり、レリューズはリューズの姉ということになっている。そして、映画版999では、時間城の主は鉄郎の母を殺した機械伯爵であったが、原作コミックとTVシリーズでは《キャプテン・ハーロック》を名乗る機械化人が時間城の主であると同時にレリューズの恋人である。

原作コミックにおいて、レリューズは酒場で「やさしくしないで」を歌っている。これは、映画版999でリューズが歌っていた歌である。ただ、TV版での歌は「想い出なみだ色」である。歌は違っているが、過去を思い出し懐かしくなるような歌である。リューズもレリューズも恋人の言うがままに自らの身体を改造し、思いがけず時間を操る能力を手に入れてしまった。だが、鉄郎の言葉や行動によって若い頃の気持ちを思い出して心を動かされ、信じていた「恋人」が、実は自分を愛してはおらず、道具として扱っていたことに気付いてしまう。だから、土壇場で「恋人」の【命令】を聞かずに裏切ってしまうのである。

けれども、その「恋人」を捨てて、新たな自分の人生を生き直す強さは持ちえず、愛した「恋人」と共に滅んでいく道を選択するのである。しっかりとした《自分》を作れなかったからこそ、「恋人」の言うがままに生きてきた。けれども、その冷たさを見ようとしなかったし、彼が自分を愛してくれている訳ではないという現実を認めようとしなかった。だが、意識はしていなくても心のどこかでは感じていたからこそ「恋人」を裏切ったのだ。それは、レリューズ(リューズ)にとっては自立への第1歩であった。けれども、愛し続けた「想い」から逃れなかったために、2歩目へと進めなかったのであろう。あるいは、「恋人」の言うがままに犯してしまった【罪】を自らの命で償おうという意味もあったのかも知れない。

レリューズのように自立しきれない人々は少なくない。けれども、生き続けていれば、やがて2歩目を歩む日が来るかもしれない。それを信じて生き続けてほしいと思う。

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