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2009年6月 2日 (火)

ウルトラマン印象記…侵略者を撃て

ウルトラマンのシリーズでもっとも有名かつ人気のある宇宙人をあげるとすれば、多分、バルタン星人だろう。バルタン星人は「ウルトラマン」以外にも、「帰ってきたウルトラマン」や「ウルトラマン・パワード」等のシリーズにも登場するが、最初に登場するのがこの「ウルトラマン」の第2話である。

バルタン星人は、マッド・サイエンティストの核実験によって母星を破壊され宇宙を放浪している。地球の近くで宇宙船が故障して、その修理のために必要なダイオードを求めて地球に立ち寄るが、地球の環境が彼らにとって住みやすいということで地球を侵略しようとする。

この設定は、「宇宙船艦ヤマト」のガミラスとも似ている。ガミラスも、母星ガミラスが惑星としての寿命がつきかけていて海が強酸化して生存環境が悪化しているため移住の地を求めて侵略の手を他の星に伸ばしていた。その意味では、ガミラス人にとってデスラー総統は偉大な指導者であり、英雄であった。

もし、地球人がバルタン星人やガミラスと同じ立場に立たされたらどうだろう。多分、他の星を侵略をしてでも生き延びようとする選択に異を唱えない人の方が多数を占めるのではないだろうか。なぜなら、我々の地球は、もっと些細な理由で戦争を繰り返しているからである。

さて、バルタン星人の登場に際し、科学特捜隊のムラマツ隊長の慎重論に対して新兵器ハゲタカ(核ミサイル!?)の威力に絶大の自信を持ち攻撃を主張する声が上がる。そして侵略宣言とバルタン星人の巨大化に対しハゲタカを発射するが、バルタン星人には何のダメージも与えることは出来なかった。戦後21年目の昭和41年の夏から放映されているウルトラマンでのこうした《核》の扱いはなかなか感慨深い。核兵器は惑星をも簡単に滅ぼす一方で、侵略者に対して必ずしも絶対的な抑止効果は持たない……というメッセージあるいは製作者たちの思いがわずかなエピソードの中から見えてくるようである。

この回では、バルタン星人はウルトラマンのスペシウム光線によって倒され、バルタンの宇宙船もウルトラマンによって宇宙に運ばれ爆発する。そのセミをモチーフにしたインパクトの強い形状や分身・静止光線など多彩な武器で人気の高いバルタン星人だが、「核実験」のニュースが世界を駆け巡る今日において、いろいろと考えさせてくれるエピソードである。

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