« 2009年10月 | トップページ | 2009年12月 »

2009年11月28日 (土)

累進課税「見直し」の見直しを

経済状況がなかなか好転しない中、税収の大幅な落ち込みによる影響への懸念が問題視されている。政権交代によって様々な見直しが行われている様子が連日テレビや新聞を賑わしているが、ダムや教育、農業支援や子どもの支援については聞こえてきても、累進課税の見直しについてはまったく聞こえてこない。

アメリカ・ブッシュ政権の利益を国民の利益よりも優先した小泉政権以降の自公政権において、高額所得者の税率を下げる累進課税制度の見直しが行われ、貧困層の増大をもたらしたが、アメリカ・ブッシュ政権に見習ったその政策は、当事国のアメリカにおいても問題になっている。

実際、アメリカにおいても高額所得者の税率が高く所得の再分配が機能していた頃の方が生活や国家財政は堅調であったし、それは日本の場合も同じだった。そうした点を考えれば、累進課税の「見直し」が財政政策としては失敗であった可能性は高い。ならば当然、累進課税の「見直し」の見直しも検討されるべきである。

にも関わらず、テレビも新聞もその点についての言及が見当たらない。マスコミは大丈夫なのだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年11月22日 (日)

何とか書いた詩

来週の日曜は詩の同人の合評会がある。そしてその日は、次の号のための詩の締切日でもある。そのことは、ずっと前から分かっていたし、先月末頃から、何とか書きたいと思っていた。ところが、どうしても詩が書けない日が続いていた。さすがに、先週末にはかなり焦っていた。ところが、いくら焦っても、最初の1行が出てこない。その1行を書けるかどうかが、個人的には、詩を書く際の最も重要なポイントになっている。

別の雑誌の同人仲間の1人は、「降りてこないと書けない」と良く口にする。彼女は小説を書いているのだが、その感覚はよく分かる。エッセイや論文はともかく、小説や童話をきちんと書こうとすれば日常レベルの精神状態ではダメで、意識を集中して深いところまで【降りて】いきながらイメージを汲み出してこないとなかなか進んでいかないのだ。歌詞や詩はそこまでの感覚は無いが、それでもベースとなるイメージが必要で、そのイメージが脳裏にきらめいてはじめて最初の1行が出てくる、というのが私の創作パターンである。

ところが、そんな瞬間は、突然訪れる。今回の場合は、ブランチを終えて離れの玄関先に歩いてきた際に見たアキアカネがイメージを引き出してくれた。お陰で、その夕方、最初の1行を書き始めることが出来た。けれども20行目に近づいた辺りで、言葉が止まってしまった。その日は、結局、諦めて中断したが、今日の夕食を終えて外に出た時、不意に続きがひらめいた。何とか書き上げることが出来たのは、ほんの数時間ほど前のことだった。若い頃は、イメージももっとすらすら広がったのだが、これも歳のせいだろうか。まあ、とりあえず書けたことで今夜のところは良しとしよう。

 

 

陽だまりの秋アカネ

 

木枯らしの音が耳を射す

十一月の晴れた朝

一匹の秋アカネが

陽だまりにとまっている

 

ピンと伸びた長い尾は

紅葉よりも鮮やかに染まり

網模様の付いた透明な羽を静止させて

大きな眼で晴れた南天を見つめている

 

周りには仲間の姿もなく

小さな畑を隔てた家の陰を

冷たい風が吹き抜ける

 

それでも

玄関先の陽だまりは

北風が遮られ

温かな光が満ちている

 

そこに近づく足音に

赤とんぼは羽ばたき

収穫を終えた畑を抜けて

西へと飛び去った

 

気象情報は

寒気の南下を告げていた

明日の天気は下り坂

冬の足音は

一層近づいている

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月16日 (月)

「銀河鉄道999」印象記…メーテルの旅

TV版「銀河鉄道999」では最終113話間近の109~110話、原作コミックでは「週間少年キング」連載のおよそ4分の3を過ぎた辺りで「メーテルの旅」というエピソードがある。ワープ中の事故によって鉄郎たちの乗った999は、未来の時間を旅する999と接触事故を起こし、惑星ファントムに落下してしまう。未来の999には、メーテルと車掌さん、そして鉄郎と同じNo.4の戦士の銃を持つレドリルという少年が乗っていた。

レドリル少年も鉄郎と同じ生身の人間で、機械の身体を手に入れるために機械の体をただでくれる星に行くという。メーテルは、鉄郎との旅を終えた後も、永遠の旅を続けている、ということが分かるエピソードである。1つの場所に留まり、老いて死ぬこともなく、永遠に同じ姿で時の流れを旅していくメーテルの哀しみが伝わってくる。

ところで、惑星ファントムでは、鉄郎たちの地球とは反対に生身の人間が自分たちの欲望に任せて機械人間を殺したり改造したりしているという。そのため、虐げられた機械化人が2人、999に忍び込み、2人の車掌さんを拘束して鉄郎やレドリルと入れ替わり、999で惑星ファントムを脱出しようと企てる。

その後のエピソードは原作コミックとTV版では少し異なる。コミック版では、拘束された車掌さんたちが「鉄郎やレドリルを殺すなら自分たちを殺してくれ」と考えただけで心が傷つき戦えなくなって2人を解放して逃げていった。一方、TV版では車掌さんたちと鉄郎たちがお互いをかばいあって自分が犠牲になろうとする姿に胸を打たれ、生身の人間に対する認識を変えて車掌さんたちを解放し、自ら999を降りて去っていく。いずれも、他者のために自らを犠牲にしようとする思いが、事態を変えるきっかけとなる。

TV版999が放映されたのは1981年2月26日と3月5日、今から28年も前のことになる。およそ30年近くも時を隔てた今、私たちの地球には《惑星ファントムの生身の人間》のように自分勝手で他者の痛みの分からない人が増えていないだろうか。減るどころか他国にまで飛び火している〈振り込め詐欺〉、アメリカでは弱者に対する医療保険の負担に反対するデモも起きている、という話も耳にしている。

競争に煽られ、ゆとりをなくしてしまうと、自分のことにしか目が行かず、心の余裕を失って孤立していく。「情けは人のためならず」…【他者に対してのサポートは、まわりまわって、結局、自分へのサポートとなって返ってくる】という諺を今一度かみしめたいものである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 6日 (金)

もう4年…

本田美奈子.が亡くなってから、もう4年になる。彼女の歌を聞き始めたのは、《Lips》というアルバム…いわゆる「1986年のマリリン」の入っているアルバム辺りからなので、もう20年以上前になる。アイドルとしてスタートし、ロックへ、そしてミュージカルやクラッシックへ、彼女の音楽の幅はどんどん広がっていった。

飲みに出かけた時、ふと、彼女の在りし日の姿を見たくなると、「1986年のマリリン」や「Oneway Generation」をカラオケで歌ったりもする。だが、歌として好きなのは「つばさ」や「風のうた」である。実は今日も、日中、車の中で「風のうた」を聞いていた。そして今は、アルバム《心を込めて…》を聞いている。彼女の高く、力強く、しなやかな声は、こうして今も聞くことが出来るが、次々と新しいことにチャレンジしていく生き方も魅力に充ちていた。

けれども、4年前、本田美奈子は白血病のため亡くなった。それでも彼女は、ギリギリまで希望を捨てず、音楽を愛し、病院でも歌を歌い続けた。骨髄移植という治療法が開発されるまでは不治の病であった白血病だが、それによって100%治る訳ではなく、彼女のように死に至ることもある。その意味では、発病して以降は、常に死と隣り合わせの生であっただろう。しかし彼女は死に向き合い、そのことによって真摯に生に向き合ったからこそ、最後まで希望を捨てずに生き続けたのだろう。

その生き様は、4年という時間を隔てた今なお、多くの人々の心を動かし続けている。今日は、彼女の歌を聞きながら、彼女のために、そして世界中の人々のために祈りたいと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 5日 (木)

風邪…グレープ「せせらぎ」より

グレープの2ndアルバム「せせらぎ」の中に「風邪」という歌がある。作詞・作曲ともにさだまさし。もう、30年以上も前の歌になるのかと思うと感慨深いが、日常の中の1シーンをうまく切り取った、クスリとしてしまうような歌詞である。

 

今日は風邪をひいてしまったから 君への電話は止すよ こんなシオカラ声じゃ 君に よけいな心配させる

こんな時は黙って寝てるのが 一番いいのよって君が 前にいってたけれど 確かに 煙草がおいしくないね

季節が かわれば 風邪もなおるよ そしたら 最初に電話をするよ

 

今の時代ならメールだろうから、シオカラ声はごまかせるだろうけど、とか、最近の神経症的な嫌煙の流れでは煙草という歌詞が叩かれるかも、とか、季節が変わるまで長引く風邪ってけっこう強力かも…などという他愛も無いツッコミを入れたくなるが、それも含めて、何かほのぼのとした感じである。

巷では、新型インフルエンザの嵐が吹き荒れ、煙草税の税率の引き上げが噂され、失業率の上昇が懸念され、何となく余裕のない殺伐とした空気が充満しつつある。たまには、こんなほのぼのとした他愛の無い歌を聞いてゆっくりするのも良いかも知れない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年10月 | トップページ | 2009年12月 »