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2010年8月 2日 (月)

ペリーヌ物語…働く者すべての幸福のために

古いVTRのチェックをしていて目に付いたので、久しぶりに「ペリーヌ物語」をいくつか見た。以前にも一度取り上げたことがあるが、「家なき子」で有名なエクトル・マロの原作で日本アニメーションが制作、1978年に1年間にわたって放映された作品である。インドから両親と一緒に祖父の住むフランスに向かって旅に出たペリーヌは、旅の途中で父を失い、さらにパリで母を失いながらも旅を続け、マロクールでフランスで1,2を争う紡績工場を経営する祖父のところにたどり着き、そこでも様々な苦難を乗り越えて、両親の結婚に反対していて2人の間に生まれた子どもについては特に考えていなかった祖父に認められ、愛されて幸せなるという物語である。

さて、ペリーヌの祖父であるビルフランだが、ペリーヌに出会うまでは自分のこと、あるいは自分の工場を大きくすることしか考えていなかった。けれども、ペリーヌと出会い、ペリーヌに愛される中で他者にも目を向けるようになる。そして、工場で働いている女工たちが子どもを預けていた家が火事になった事件をきっかけに工場で働く労働者たちの現実にも目を向けるようになる。そして、工場で働く者すべての人々の幸福のために行動を始めるのである。

手始めは、保育所の建設だった。当時のフランスで最も進んでいた保育所に技師ファブリを送って研究させ、マロクールでの保育所の建設に着手する。他にも若い女工たちのアパートの衛生状態を知って労働者たちのためのアパートや労働者クラブ等の建設も決定する。その途中で、ペリーヌが自分の孫であったことを知り、神に感謝しつつ、ペリーヌとともにより良い村を作る努力を続けることになる。

この放映から30年以上たった今、大量の底辺の労働者の働く機会を奪い、自分は高額の給与を受け取って恥じることのない経営者たちがいる。その一割を首を切った労働者の年間給与に回すだけでも何人も労働者を雇っておけるのだが。だが、そういう経営を続けることで、内需は落ち込み経済は不安定なまま推移している。競争の必要性を否定するつもりはないが、競争至上主義では人間生活の中で失われてしまうものは多い。このアニメのメイン・テーマと直接関わる訳ではないが、ていねいに作られたこのアニメは、そんなことも改めて考える機会を与えてくれる。

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