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2011年8月 5日 (金)

議員報酬削減よりも子ども手当て廃止が先?

子ども手当てが来年度には廃止されようとしている。前回の衆議院選挙の前には「責任ある与党」の立場にいた自公からの要求である。本来、子ども手当ての発想は、「子どもは社会の責任で育てる」ということの実現のための手立ての1つであった。そしてそれは、少子化に歯止めをかけるためという目的もあった。それを、少子化に歯止めをかけることが出来なかった前の責任政党が批判する。財源不足については民主党政権以上に責任の重い前政権党が批判する。何をかいわんやであろう。

財源不足の問題ならば、歳費の削減のために、前政権野党から議員報酬削減の声が上がっても何ら不思議はない。身銭を切って財政の健全化のためにささやかな姿勢を示すことになるからである。1990年代前半に作られた映画「DAVE」では倒れた大統領の身代わりに立てたDAVEに黒幕のボブが「ストリート・チルドレンのための施設を維持したければ財源をひねり出せ」と言い放つが、次の閣議でDAVEはそれを実現する。「アメリカ車の安全を保障することは大事だが、そのために子どもたちに路上で寝ろ、とは言えない」というDACEの言葉に商務省長官もうなずくのである。額の大きさ以前に、まず先にすべきことは何か…を考えるならば、本当に責任ある野党なら与党が出さない議員報酬の削減についての法案を提出すれば良い。それならば、財政の健全化の努力を身銭を切ってした上で、国民にも負担をお願いする形になるから、少なくともその信頼性は高まるだろう。

だが、自らの血は流さず、そして失敗は反省せず、国民生活に負担を強いる政策への揺り戻しを画策する前政権野党に国民の信頼回復は不可能である。菅首相の率いる民主党に投票する気はないが、こんな無責任な前「責任政党」自公には民主党以上に投票できない。マスコミも子ども手当ての廃止で大騒ぎをするが、マニフェストを守る努力をしようとした鳩山政権と比較して、元々菅政権にマニフェストを守る姿勢などなく、逆に常にゴマカシと方向転換に終始していた事実を何故伝えないのか疑問である。

その辺りを、しっかりと検証する必要があるだろう。

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2011年8月 1日 (月)

映画「コクリコ坂から」と宮崎吾朗監督

月末に、久しぶりに映画を見に行った。ジブリのアニメ「コクリコ坂から」である。宮崎駿ではなく息子の吾朗が監督ということで最初は迷っていたのだが、主題歌がかつて森山良子が歌っていた「さよならの夏」だったので、その懐かしさに惹かれて行くことにした。

ジブリのアニメはけっこう見ているのだが、「ゲド戦記」については宮崎吾朗監督の強い思い入れがマイナスに作用したというような印象で、「金を返せ」というほどの駄作ではなかったが、掘り下げが甘く、あれでは原作者のグインは怒るだろう、と思った。ちょうど、映画「ネバー・エンディング・ストリー」を見た「果てしない物語」の作者エンデが怒ったと伝えられる話と共通するような感じである。ただ、「ゲド戦記」で使われた歌を宮崎吾朗が作詞していて、その詞を見る限りでは、彼の創作者としての繊細な部分は感じられた。それをうまく活かせるような作品に仕上がっていれば…という期待もあった。

そして、実際に見て、なかなか満足のいく映画だ、という感想を持った。「ゲド戦記」では詞にしか感じられなかった繊細な部分が作品の随所にちりばめられていた。この仕上がりを見て同じくジブリ・アニメではあるが宮崎駿が監督ではなく夭折した若手が作った映画「耳をすませば」を思い出した。

時は1960年代前半、女子高校生のスカートの丈は膝下で、高校2年生の主人公の海は1人で弟や妹、祖母といった家族ばかりでなく、下宿の住人たちの朝食や夕食の準備をしている。ガスコンロに火を点けてご飯を炊き、おかずを作り、妹たちを起こし…。かつては目にしていた「あたり前の日常風景」を見かけることは今はない。けれども、そうした何気ないシーンが丁寧に作られていることが物語に深みを持たせ、抑え気味の台詞の中に込められた登場人物たちそれぞれの思いが胸を打つ。

出会いと共に過す時間の中で感じるときめきや育まれる想い、そして「出生の秘密」に揺れる恋。懐かしさを感じる街の風景や人々の動き、高校生たちのまっすぐな思いと行動…それらの1つひとつが心の琴線を揺らす。その中で、ああ宮崎吾朗もこれだけの力を持っていたんだ、という思いも抱いた。「ゲド戦記」の歌詞に感じた豊かな感受性は、やはり本物だったのだと。映画館でもう一度…とまでの切実さはないが、もう一度見てみたい映画である。

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