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2011年10月13日 (木)

100,000年後の安全

久しぶりに映画館に足を運んだ。見たのはドキュメンタリー映画【100,000年後の安全】。フィンランドに作られている世界最初の放射性廃棄物最終処分場の映像とその関係者へのインタビューをまとめた映画である。原子力発電所を稼動させれば、必ず、放射性廃棄物が出てしまう。兵器を含め、人類が原子力エネルギーの利用に手を付け始めてから半世紀以上が経つ。が、放射性廃棄物の最終処分場の第一号が、アメリカでもフランスでもイギリスでもなく、フィンランドに、第二次世界大戦が終わって半世紀以上経った今、ようやく作られているという事実。呆れると共に恐ろしい事である。
 

東日本大震災の後の福島原発の事故。その大惨事の後でも、電力会社や大企業、政府の中には原発を推進しようとする連中がいる。連中は、原発が最も経済効率が良いとうそぶくが、事故が起きた時の被害と保障の大きさや廃棄物の処理にかかる研究や実費はそのコスト計算の中には入っていない。実は、それをプラスすれば原発の発電コストは跳ね上がり、とても効率が良いとは言えない。加えて、現在の日本の技術の総力を上げてもフィンランドほど安全な処分場は作れないのである。
 

放射能廃棄物が人体や他の生物に害を及ぼさなくなるまで最低でも10万年が必要という試算の元、オンカロと呼ばれるフィンランドの最終処分場は作られている。ロケットで太陽に廃棄物を打ち上げるとしても打ち上げの際に事故が起これば大惨事になる。海底に沈めても海が汚染される可能性を0には出来ない。だから、安定した地層の奥深くに何重にも密閉して埋める。2,100年にはこの処分場の入口をもコンクリートで密閉してしまうという。
 

だが、日本では同じ事は出来ない。環太平洋造山帯の上にあり、地震や火山活動の頻発する日本には10万年以上も安定しているような地層・土地は考えられないからである。それでも、日本の原子力発電所は止まらず、稼動を続けている。という事は、放射性廃棄物が、今、この瞬間にも作られ続けているという事である。そしてその多くは原発の近くに保管されていたりする。直下型地震が原発を襲ったら…、あるいはテロ攻撃やミサイル攻撃のターゲートとして原発を狙われたら…。3.11フクシマ以上の甚大な被害が生じる可能性は高い。
 

実際の現地の映像と関係者へのインタビューだけで構成されたこの映画はとても地味なドキュメンタリーである。けれども、そこに見える現実は、深く重い。

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