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2012年6月13日 (水)

必要なのは増税ではなく税収増

ここのところ増税論議が騒がしさを増している。確かに、赤字国債体質になっている財政は問題なのだが、なぜ、わざわざこの時期を選んでの「増税」なのか。政府や野党国会議員たちの話を見聞きする限りにおいては、増税がそのまま税収増につながるとの誤解や勘違いがあるようだが、実は、そう簡単ではない。前回の消費税増税に際して、実は増税によって景気が冷え込み、税収減につながったからである。

今回の増税論議において、不思議なことに大マスコミやそれに登場する学者や評論家、政治家の中でそのことを指摘する声がほとんど聞こえてこない。マスコミの記者やライター、財務官僚がそのことを知らないというのはおかしいし、当然、自民や民主の議員の多くが実際に経験している筈なのだが、何故かその辺りのことが出てこない。市井の一市民が少し考えればわかることをエリートが知らない筈はない。というより、知らなかったり隠そうとしたりしているのであればエリートの名に値しない無能な連中だということになる。

我々が間違えてはいけないのは、「増税」と「税収増」は決してイコールではない、ということである。本当に財政再建が必要ならば、税収減につながりかねない「増税」は慎重であるべきである。にも関わらず、野田政権と自民党、大マスコミの「増税」大合唱にはそうした観点が欠如している。福島の原発事故への対応でその不正直さと無能ぶりをさらけ出してしまった大マスコミと政府の「大本営発表」がどこまで信頼できるのか。「原発の安全宣言」のように財政危機そのものが嘘である可能性はないだろうか。

本当に財政が危機的な状況ならば、まずは自ら身を削る必要がある。中小企業の経営者なら当然の判断である。同じ感覚で考えれば、当然、国会議員やトップ官僚の報酬の見直しから手がつけられていなければならないし、無駄も徹底的に省く必要がある。例えば自衛隊の次期戦闘機でも、期日通りに納められない可能性が高いなら契約を破棄するのが当然だし、カタログ性能は劣っていても安くて実績のあるユーロファイターに、少なくとも完成するまでの間は切り替えるのが正常な判断となる。その結果として浮いてくる予算も出てくる。それをせずに「財政危機」の大合唱では、何の努力もせずにかえって財政を悪化させることにもなりかねない。ヨーロッパ経済が不安定さから脱していないこの時期に、日本経済に手枷・足枷をはめかねないような「増税」は許してはならない。

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