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2015年1月30日 (金)

ブラックゴーストと安倍政権

マンガ家石ノ森章太郎の代表作「サイボーグ009」で、ゼロゼロナンバーサイボーグの改造や多くの武器の製作に手を染めていた謎の組織、ブラックゴースト。地下帝国ヨミ編のラストで、ブラックゴーストは武器商人たちが自らの欲望の充足のためにブラックゴーストを作ったことがほのめかされる。そして、動く巨大な魔人像の中にある三つの脳がブラックゴーストの首領であり、自らが009に破壊されても、人間の欲望がある限りブラックゴーストは何度でも復活するだろう、と予言する。
金儲け至上主義に走れば、他所の戦争ほどオイシイ商売はない。兵器は、何も生み出さないが、戦闘が続く限り消費され、その購入に資金が必要だからである。実際、最新鋭の兵器は非常に高価である。戦闘機にしろ、イージス艦にしろ、ミサイルにしろ、その購入が新たなモノやサービスを生み出す事にはつながらず、ただ消費するだけである。だが、その購入を少しひかえれば、例えば戦闘機を一機減らしてそのお金を福祉に回すだけで、多くの人の年金や医療費が賄える。そして、年金や医療費に回ったお金は、当然、使われて別の人の所得となり、次々と動いていく。その動きそのものが新たな仕事を生み、所得を生み、所得税を発生させて経済を循環させる。
そうした流れを考えた時、日本の武器輸出禁止という歴史的な決断は英断であったと思う。そして、基本的に日本で作られたものが他者を殺傷する兵器や武器にならないという信用が、アラブ・イスラム世界での平和な日本人の活動を支えていたと言えるだろう。そうした歴史を捻じ曲げようとしているのが、今の安倍政権である。武器輸出の禁を解き、軍事的志向を強固に主張するのは、首相の子供じみたプライドをくすぐるのだろうが、それによって失われる国益は小さくない。政権の軍事化の動きに呼応するように日本人が人質になる事件が増加しているが、それを助ける軍事的決断はもちろんできないし、だからといって強い外交努力で直接介入するわけでもない。政権の鈍い動きを見る限り、口先だけの実力のない政府であることが内外に見透かされている。
日本は、このままブラックゴーストの下っ端への道を進むのだろうか。我々はサイボーグ009のように文字通り体を張ってそれを止めることは困難である。しかし、亡くなった石ノ森先生のように、多くの国民が日本がブラックゴースト化することに反対していると信じたい。

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投稿: Rosario | 2015年2月21日 (土) 13時14分

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